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2008年9月21日 (日)

あるべき国のかたちとは? その1 9月23日(火)

西村 今月のゲストは前高知県知事の橋本大二郎さんです。橋本さんは4期16年勤められた高知県知事を昨年12月6日に退任されました。そして今年4月1日に国政へ挑戦されると表明されました。
 知事時代と同様に政党関係の支持を獲得せず無所属で挑戦されます。

 今回のテーマは「あるべき国のかたちとは?その1」でお話しをお聞きします。国と地方のありかた。国のありかや役目についてお聞きします。

 橋本さんは著作「融通無碍」のP135でこういわれています。
「改革と言いながら。地方分権を実りのあるために欠かせない国から地方への権利移譲はないがしろにし、中央集権を強化しました。」とあります。

 三位一体改革は

(1)国の、持っている補助金。負担金の廃止、削減。

(2)税財源の地方への移譲

(3)地方交付税の仕組みの見直し  の3点セットだったはずです。

 実態は高知県においても国の財政運営のつけを地方に押し付けるだけの改革とは名ばかりであった。と言われています。2004年度で260億円の財源不足と言われていました。そうだったのでしょうか?

H2_r 橋本 そうですよ。全国で5兆円削減されました。先ほど説明にありました三位一体の改革と言うのは、国の、持っている補助金。負担金の廃止、削減をする。国が地方のことに細かいことで口を出しをする。そういう仕組みをやめましょうというのが1つです。

 交付金や補助金を廃止すれば、そのぶんの財源が浮きますからその分を地方に移して、国の紐のつかない財源として地方が使えるようにしましょう。それが2つめでした。

 そうすると財政の事情も変わってきますから、それに合わせて地方交付税も見直しをする。それが3つめでした。それを一緒にやろうというのが三位一体の改革でした。

 ところが、蓋を開けてみると、補助金と交付金は3兆円廃止をされました。地方に財源が移されたのはほんの僅かです。殆ど国の中で使い回しをされていました。

 にもかかわらず地方交付税だけが「先取り」をして一気に5兆円削減されました。このため高知県の場合では、2002年度にはほぼ収支が見合う予算を組んでいました。 僅か2年後の2004年度は263億円の財源不足が生じるということになりました。

 高知県だけではなくて地方全体のことです。約束違反だおかしいと言う声が、強くあがった訳です。だけど今の国と地方の力関係では、それ以上国のしてくることをはねつける力が地方にはなかった。

 そのために5兆円の削減は、そのままのみこんで、それがずっと今もボディ・ブローのように高知県だけではなく各都道府県に効いて来ています。

西村 橋本さんはご自身の公式ホームページのなかで「財源と権限を地方に全面的に移した、地域自立型の国家構造を実現することで、国の役割と地方の役割をより明確に分けていきます。」と言われています。

 一方最近「道州制」ということも政府筋から言われています。意味合いが異なると思います。橋本さんの言われる「国の役割、地方の役割」のモデルとなる国はありますか?

H7_r_2

橋本 アメリカなんかがそうですね。州と国は全く違った役割をしています。税金も各州で独自に決めています。

西村 ということは国が提唱している「道州制」ではなく、「連邦制国家」がモデルなのでしょうか?

橋本 それは道州制でもいいわけです。道州制と言う言葉が「同床異夢」で使われています。地方が言っている道州制と、国の言う道州制は違います。

 地方は国の権限・財源を地方へ移す。地方へ移して地域が自立できる。そういう社会体制をつくる。その時に高知県という単位が運営のときの単位でいいのか。それとも四国が一緒になった単位が良いのか。それとも更に中国・四国が一緒になった単位がいいのか。言うことを議論するのが、道州制です。

 ところが、国の言っている道州制は、今の中央主権、今の中央の官僚や政治家が地方の細かいことまで口を出し、地方を縛り付ける。こういう体制をそのままにして。47の都道府県は数が多すぎて財政的にも大変だから、9つか10にしようと。

 つまり国の言っているのは本来の道州制ではなく、都道府県合併なんですね。このことをきちんとわけていかないといけないですね。つまり権限財源が地方へ移っている。そういう国家体制なのかどうか。そうであるのかないのかを見極めないといけないのです。

 単に道州制という言葉を言っているだけですと、国と地方はまったく違う意味で双方が道州制と言う言葉を使うことになります。

西村 橋本さんはホームページのなかで「官僚が指導する現在の中央集権の体制を地域自立型の国家構造に変えることで、地方はこの国の伝統と文化が息づく個性のある地域造りを担い、国は平和主義と各種の国際貢献を通じて、地球時代のリーダーとしての役割を担うために国の形を変えていかなくてはなりません。」と言われています。

 橋本さんが国政の場に立つとすればまずなにから始め、実行されますか?

橋本 今のことに関して言えば、国の権限と財源を全部地方へ移すことです。ただこれは何月何日から突然やることはできません。やはり3年なり5年なりが道のりの道程表をつくって、それに、もとづいてやっていくことです。

 たとえば国の官庁の出先がそれぞれあります。四国には局があります。こういうものを1つにまとめ地域の役所に変えていく。そういう風な段取りであるとか。

 いろんな手法があります。国民にお示しをして、何年後かには国の権限も財源も地方へ移して行きます。地方が税金を使っていく。それにより税金を納めた者が、税金の使い道を決めていく。将来は地域の人たちが決めていく。そういう国の構造にしていく。そうなろうと思います。

西村 現在の国会は自民党と民主党が多数を占めています。その2大政党の政策は橋本さんの「国から地方への権限の大幅移譲の政策」への反応はいかがでしょうか?
 賛同していますか、それとも否定的なのでしょうか?

橋本 自民党、民主党の話と、さきほどの「国から地方への権限の移譲への賛同の話とどうつながるのでしょうか?

西村 自民党のなかにも、あるいは民主党のなかにも国の権限を地方に移すことに賛同されている議員もおられると思います。あるいは連邦制国家のような、アメリカのような国と地方の役割を明確にわけて言う考え方に賛同される方は、自民党側にも民主党側にもおられると思いますが・・。

橋本 自民党の中にも、民主党のなかにもおります。自民党は今与党です。政府側として進めている道州制の考えは、さきほど言いましたように地域が自立した連邦制的なものを想定していません。単なる都道府県合併型を想定しているにすぎません。

 言うことから考えれば自民党のなかではわたしの言うような道州制の考えは少数であると思います。民主党の中にはむしろ自民党よりは私に近い考え方の人が多いように思われます。

 明確に全体がそうかといえばそうなっていません。それが前回言いました自民党も民主党も党の中にいろんな大きなねじれを抱えている。ねじれを抱えたままこれだけきびしい状況下でスピードのある政策決定ができるか。判断ができるかというか。

 今それぞれの政党がかかえている大きな問題点があると思います。

西村 天皇の位置づけについてお聞きします。現在の皇室は政治的な発言は控えられていますし、また皇室を政治的に利用することがあってはならないと思います。
 しかし天皇皇后両陛下や皇太子ご夫妻が海外訪問をされる場合は、相手国に政治的な意味合いをもったことは確かです。

 皇室のありかたはいまのままで良いと思われますか?それとも別の意味を持たせるべきであると思われるのでしょうか?

橋本 まず「結果として」と言われましたが、結果ではなく政府の狙いとしてそういう利用のしかたをしています。
 今の天皇陛下が皇太子時代に、アメリカを2度訪問されています。それぞれにいろんな政治的な問題があったとき行かれています。安保の後。日米繊維の問題があったとき。こういうときに行かれています。

 私も繊維交渉の後の訪米の時にはNHKの記者として同行しました。アメリカ駐在の日本の大使が、こういう時期に皇太子ご夫妻をお迎えをすることはたいへん日米関係のためにはありがたいことです。言うようなことを明確に言っておられます。

 ですので」政治的に「結果として」ではなくて、政府としては象徴天皇制は両国間の対立を和らげる為に使わせていただいたことが現実にはあります。
 私は日本という国の強みであると思います。他のやりかたでそういうことが他の国にできるのか。できませんので。わたしはそれを口に出すということは別にして行き過ぎた形でなければ、そういう存在として天皇制は日本の1つの形として続けていくことは決しておかしなことではないと思います。

 最後に他のありかたといわれていますが、どういうことなのでしょうか?

西村 例えば天皇の権限をもっと強くする。戦前のような存在に戻そうということですが・・

橋本 そんな人は多数いるとは思えません。

西村 また天皇制を廃止して共和制にすると言う人も少数派でしょうし。
 個人的な見解ですが、皇太子ご夫妻が外交をされたら、今の政府がやるよりもっと円滑にうまく行きそうなきがするのですが・・。それはなかなかできることではないのでしょう?

橋本 外交と言う意味をどうとらえるかです。さきほど申し上げた時に日米安保の時にハガチーと言う人が羽田空港まで来て「ハガチー帰れ!」というデモ隊に追い返されたと言うことがありました。

 そのすぐ後に皇太子ご夫妻が訪米をしています。外交的な大きな衝突があったときにうまく和らげていく。そういう意味での外交的な活動をしていただくことは私は意味があると思います。

 本来の外交と言うのはいろんな問題を柔らかくうまくやっていくというよりも、さきほどの国の役割と地方の役割を分けると言う国家構造にするということを言いましたときに、食糧危機の問題や、地球環境の問題や原油高、エネルギーの問題や様々なことを上げました。

 そういう厳しい社会現実の中で日本という国の利益をどう訴えていくか。言うことが本来の外交の役割です。日本の外務省は全くそういうことのできない役所なんです。

 英語がしゃべれ、外国語がしゃべれてお付き合いをというふうなことだけでやってきた役所です。本当の意味の国家戦略をつくって戦って行く形になっていません。

 わたしはこれからは外交と言うのはその国の役人が地方のことに細かく口を出すのではなくて、外交交渉と言うのを力を注いでいかないといけないと思います。
 そういう場合は皇室の役割と全くそれは違うものだ。

西村 石原慎太郎東京都知事が東京五輪誘致に際して皇室のお出ましをお願いしたいと言いましたら、宮内庁がそれはできません。と言いましたら石原さんが逆切れされていました。あの問題はどう思われますか?

橋本 オリンピック誘致のためにと言えば、宮内庁としてそれはのめないとなります。表立ってそういえばです。さきほど申し上げた皇太子ご夫妻を日米の繊維交渉のトラブルを和らげる為に利用したいと言えば宮内庁は「NO!」と言います。

 あうんの呼吸と言うものを考えないと政治家もいけないと思います。

西村 「格差社会」の是正に対しては、どのような政策が有効であると思われますか?
橋本さんは構造改革を推進するというお立場のように見えます。
 労働市場の規制緩和しすぎた結果、経営者側の都合の良い労働条件の改悪がまかりとうり、派遣やパート、臨時雇用が急造し、結婚も子供もつくれない、子供の進学もままならない格差社会ができました。このあたりどのように考えられますか?

橋本 経営者側に都合の良いということを言われましたが、一方的な見方であると思います。例えば、トヨタやキャノンと言う企業は世界で競争しています。
 全くコストを考えなくてものづくりをしていけば、それらの日本を代表する企業が全部海外へ出て行ってしまいます。

 そうなれば日本のなかの雇用ももっと少なくなるかもしれません。良い悪いは別にしてグローバル化が進む中で日本の産業はどうあるべきか。どう考えていくか。一方的に経営者のためにと決め付けてしまうのは、わたしは日本経済のためにはならないと思います。また雇用ということを考えた場合には危険な考え方です。

 しかし経済のグローバル化というものが、すべての格差の背景にあることは間違いありません。ですからそれに対してどういうルールをこしらえるのか。行き過ぎた資本主義にどうやって歯止めをかけるのか。いうことは国内でもルール化しないといけませんし、サミットなどの時に地球温暖化だけの問題ではなく、こういう行き過ぎた資本主義にどうやって歯止めをかけていくかと。そうしたことを各国首脳が議論する時期に来たのではないかと思います。

 そういうことを国家戦略として議論していくうえにも中央主権と言うしくみはやめ、地方のことは地域独立、地域自立でやっていく。国は今まさに格差の背景にあるグローバル化へ対応していくのか。このことを戦略としてまとめて先進8カ国と話をし、そして世界と議論していく。そういう日本国にならない限り、グローバル化のなかの格差の問題には小手先では対応できないと思います。

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