2009年もよろしく
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
高知シティFMにて番組を作成していた番組制作者4人が呼びかけました「番組出演者交流会」が12月19日午後6時半から、高知大丸東館6階の土佐水木にて行われました。
職種も年齢も異なる市民60人が集合し親しく懇談しました。
これこそ正真正銘の異業種交流会であると思いました。ありそうでない会合であると思います。
番組がなくなったので、今後の開催は未定ですが、また集まってみたいなとは思いました。
http://www.nc-21.co.jp/dokodemo/bbs3/08bangumi-kouryuukai1218.html
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
西村 今月の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」のゲストは、こうち暮らしの学校の店長をされている宇田川知人さんです。
宇田川さんは、高知へ来られる前は情報関連のお仕事をされていました。首都圏という大都市部で仕事をされておられました。都市部の人たちの生活には熟知しておられます。
大都市部の人たちと、高知のような地方都市の人たちのライフスタイルはどう違いますか?なにか感じられることはありましたか?
宇田川 そうですね。高知市内と限ると。今は情報が行き届いていますし。県外資本の店舗もできていますし。正直言いまして格差は感じません。
ただ高知へ来て不思議だな。と思ったことがあります。「行動範囲が狭い」ことですね。
首都圏に住んでいますと通勤時間は1時間、1時間半は当たり前です。私も実際神奈川の実家から東京のオフィスまで通勤は片道2時間かかっていました。ですからどこどこへいくのは、そこまでが遠いとか。近いとか言う感覚が都市部とは違いますね。
西村 わたしも関西と関東でサラリーマンをしていましたのでわかりますね。電車とか鉄道網が大都市部は発達していますし。1時間半ぐらいなら平気でいきますし。
高知で1時間半でいくと高知から高松まで行くレベルになりますし。特急電車でいくと料金もかかるし、車でいくとたいそいし。どうしても出不精になりますね。
宇田川 そうですね。高知暮らしの楽校が塚の原で開店したときに、おびさんマルシェとかで販売するときに、塚の原で販売しているんですよ。とか言いますと「遠いね」とか言われてしまいます。
聞きますとたかが4~5キロぐらいの場所なんですね。そんなに遠いのかなというのが感覚ですが、何人にも言われましたし。
西村 たぶん車を活用している人と、そうでない人の感覚の違いもあるでしょうし。バスで行って乗り換えてとなると。塚の原へ中心市街から行くのは遠いとは思いますね。自転車でいくのも4~5キロは社会人には遠いのかなと思われますね。
宇田川 本当に不思議に思いますね。そのあたりは。
西村 高知の強み、良さ。宇田川さんは高知のどういうところをPRされたいと思いますか?
宇田川 わたしは初めて高知へ来たときですが。それまでは高知は海のイメージがありました。南国で海のイメージで、鰹と坂本竜馬とゆずみたいなものでした。
関東の人はわたしとだいたい同じようなイメージをもっていると思います。
でも高知はとても広いです。山間部で山を越えると谷があり、また山があり谷がある。関東の感覚、そうですね自分は神奈川県西部のほうでしたから、山梨、長野も含めた変化というか土地の豊かさが高知にはあります。
もちろん海の魚も美味しい。山のいろんな地域ごとに独自の文化。食文化ですとか。というのが共通する文化の共通点が豊かさです。そういう部分を伝えていきたいと思いますね。
西村 インターネット通販も手がけられていると思います。おかまいない範囲で将来構想をお聞かせください。
宇田川 現状ではただページをこしらえている程度です。ゆくゆくはポータルサイト的な感じにして、地域の情報やお知らせをして。そこではこういう産物がありが買えますよ。という情報も含めたサイトをつくっていきたいですね。
西村 わたしの会社のサイトは「錆対策」「防錆塗装」という専門的な領域のサイトですが全国各地から問い合わせがあります。また電話もかかってきます。
高知県のまるごと販売サイトであれば、アクセス数は桁違いに多いでしょうし、注目度が全然違うと思いますね。
県のサイトとか観光のさいとも全然面白くないし、ほしい情報がほとんどありませんし。なんか見ていましていらいらします。
宇田川 そうですね。地域に対する関心が昔よりたかくなったのではないかと思います。さぬきうどんのブームとかありましたね。
私のなかでは高知もそうですが、四国をいろんなサイト、情報サイトって全然充実度がないんですよね。
西村 なんかずれているんですね。ほしい情報がないんですね。
宇田川 わたしはそこが穴場だと思いますね。だから高知からはじめて、ゆくゆくは四国のポータルサイトを計画しています。東京にWEB会社をしている友人がいます。そこと今水面下で話をしています。
わたしは13年間高知へ通い詰めましたし。四国の各地も行き増した。旅行者としてはあちこち行きましたね。その観点から見ますとほしい情報は既存のサイトにはありません。
西村 それはそうであると思います。いとこが定年で東京のマンションを引き払いUターンで戻って来ました。退屈していたので中島健造さんを紹介しました。そしたら週に2回間伐ボランティアへ行きだしましたし、いの町成山の棚田栽培にも通いだしました。
東京では体を動かすことが少ないのでということで、嬉々としてしていますし。
こうち暮らしの楽校とはりまや市場で「お薦め品」「ギフト」はありますか?
評判の良い商品があればお知らせ下さい。
宇田川 お奨め品はたくさんあります。どれかというのは難しいところもあります。時期にもよります。まずはフルーツ系です。
新高梨。これからは出てくるフルーツ・トマト。フルーツ・トマトは農薬を使っているのでうちでは取り扱ってはいませんが・・・。農薬の使用量がすくないものがあれば扱いたいとは思っていますが・・。
かんきつ類がいろいろ高知はでてきます。関東ではかんきつ類といいますと、みかんとかグレープフルーツとか、種類が少ないです。高知は、四国はすごくかんきつ類の種類が多いです。という印象を受けたのもはじめて高知へ来たときの実感でした。
そういったものもギフトとしてはお奨めです。
もう1つは郡部地域で作っていいるこだわりの食品であるとか。そうしたものをお好みで選んで、いろいろと詰め合わせていただきます。送ることもできますのでご利用ください。
なかなか東京では見かけない、高知市内でもみかけない品物もいろいろあります。郡部でつくられているこだわりの品物を各自で選んでいただいてつくっていただく。一番良いと思います。
また声をかけていただきましたら、こんなのがお奨めですよ。と言いますので気軽に声をかけてください。
西村 高知の「安心」「安全」にこだわる商品は今現在で何品目ありますか?計画ではどの程度まで増やせそうでしょうか?
宇田川 そうですね。今はおそらく500品目を越えているでしょう。もちろんまだまだ増やすつもりでいます。増えるものもあれば、正直減るものもあるでしょう。
時期により変わるものもあります。まだまだ発掘しまして、増やしていきたいと思います。皆さんに楽しんでいただきたいと思っています。
西村 高知の産品は「ロットが小さい」と言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?また「想定外」の品物はありましたか?
宇田川 ロットが小さいというのはおっしゃるとうりです。先ほども申し上げましたが郡部でつくっているものはロットが小さいです。なかなかうちが頼んでも1回で持ってきてくれません。限られています。
でもそれが手作りのよさや、こだわりであると思っています。そういう意味では大きくはなかなかできないのですけれども集めていくことも必要です。
あと想定外のものと言いますと、私の出身である神奈川県西部の小田原があります。あのへんでもありますが干物ですね。あじやさばなどですが、高知ではにろぎやひめいち、であるとか小魚の干物がありました。かますの小さいのやこ鯛もありましたし。
そういうのは関東にはないと思いました。
西村 高知暮らしの楽校の狙いは「高知まるごと百貨店である」と以前松田高政さんにお聞きしたことがありました。今後も品数はどんどん増えていかれていますか?
宇田川 徐々に増やしていきます。「まるごと百貨店」と名乗るにはまだまだ足らないものがたくさんあります。できる限り、くらしの楽校やはりまや市場に来たお客さんが、そこで買い物が済むようなお店にしたいです。
そのためには今ないものを、こだわりのものを探していきたいと思います。
西村 宇田川さんは高知に定住される前から高知県のいろんなところへ行かれておられるので、高知の情報はお持ちであると思います。なかなか高知から情報を発信できていないようにも思います。サイトなんかも満足できませんし。
将来構想として「まるごと百貨店」と言うのであれば高知の情報をもっともっと発信するようなことも考えられているのでしょうか?
宇田川 そうですね。高知にはいいものがたくさんあります。でも知られていないものもたくさんあります。それを伝えていく。その手段としてインター・ネットもそうです。
インターネットが手軽に広く情報発信ができます。今皆さんが知らない、でも結構知りたいと思っている情報はたくさんあると思います。そういう情報を広く発信していければと思っています。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
西村 今月の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」のゲストは、こうち暮らしの学校の店長をされている宇田川知人さんです。
現在有機農家との契約されていると思いますが、高知県下何軒の農家と取引されているのでしょうか?
宇田川 現在は30軒の生産農家と取引をしています。今店を始めましていろんな反響がありまして、更に出荷したい。と言ってこられる生産農家もあります。
西村 有機野菜は天候に左右され、また農薬や化学肥料を使用しないので、労力がかかり、そのわりに収穫量が多くありません、。どうしてもコストは高くなります。
お店のお客さんはそのことを理解されているのでしょうか?
宇田川 もちろん理解されている方もおられます。また「なんで高いの?」と言われるお客さんもいらっしゃいます。
なるべくお客さんには理解いただくようにお話はします。実際「有機栽培野菜は手間隙がかかって、生産量が少ないですから、高くなります。」と説明しましても、「それはわかるけれども高いね」といわれる方もいます。
まだまだ十分に理解されているとは 思いませんけれども、今後はいろんな形で理解していただくように努力していくことがはりまや市場なのかなと思います。
西村 また1つの事例です。アメリカなどでは消費者側が先にお金を集め、有機農家に事前に支払っています。そういう仕組みをこしらえれば、有機農家も安心して栽培するので、有機農家は育つのではないのでしょうか?
消費者出資制度(?)のようなしくみはいるのではないでしょうか?
宇田川 私個人としては、そういうしくみには消極的です。いわば棚田オーナー制度のようなものですね。果樹園でも果樹オーナー制度のようなものでしょうか。そういう限定されたものについては、現状もうまくいっているというところでしょうか。うまくいっていないところもあるようですし。
まずどれだけ消費者側がお金を出してくれるひとがいるのか?というのが1つです。有機野菜ですから天候によって収穫量が左右される。必ず消費者側が出資した期待量の収穫が上がるのか。天候状況によっては収穫量が少なくなるということなどお知らせするようですが、たぶんそのとき事前には納得しましても、実際にそうなったときに納得するかどうかです。
なかには結構批判も出てくるようですよ。ですからすべての農産物について、出資してそれを買い取るというしくみでは、現状では規模ろして大きくなれるのか。疑問をもっています。
西村 今の現状ですか、30軒の生産農家相手では難しいところでしょうか。
宇田川 難しいと思います。出資制度でお金を集めたとしても30軒の農産物を1年間、何世帯分、何家族分できるのか。そう考えると現状それで出資金をとるとすれば、相当の金額を出資していただかないといけないですね。
アメリカの農業は大規模ですからね。日本の農業と大陸の農業はぜんぜんちがうのではないでしょうか。むこうの農業は「水やり農業」なんですね。いかに農産物に水をやるのかが重要なのです。
日本の場合は「草取り農業」なんですね。もともとアメリカなどは水が少ないので、害虫や雑草も少ないところなんですね。
西村 そうですね。カルフォルニアの農業は雪山からパイプラインで水を引っ張ってきますね。大規模スプリングラーで水撒きしていますね。雨が降らないから雑草もはえません。
ほたくるとすぐ砂漠化してしまいます。そういう農業と高温多湿多雨の日本の農業とは違いますね。有機栽培もアメリカの場合は規模が大きいと思いますね。
宇田川 そうであると思いますね。
西村 わたしの構想は「市民農園」の応用版ですね。市民が野菜作りをしますが、有機栽培農家の人が指導にくくとか。農地を市民に貸すとか。
はりまや市場や暮らしの楽校が介在してあげて、オーナー農園主を増やすという観点で、いいのかなとも思いました。
また3)とも関連していますが、生協のように会員を集め、出資してもらう仕組みは考えられないでしょうか?
その資金で有機野菜栽培農家を育て、安心・安全な野菜をはりまや市場が認定し、その野菜は全額買い取る。理想ですがそうなれば、消費者も安全であると思います。
宇田川 もちろん生協のようなシステム。それを求める人もおられるでしょう。それも必要かなとも思います。
わたしが事業をする上ではそういうしくみをとるつもりはありません。
なぜならと申し上げますと、生協の会員の場合はどうしてもお客さんが限定されてしまいます。それが1つです。
基準が一部のこだわった生協もありますが、基準がかちかちしていて、製品として画一化しているのがちょっと楽しくない。わたしにとっては楽しくないですね。
農家の方の個性は出していただきたいのです。
もい1点は、先ほど言ったように、「わたしは有機の野菜を買えるのが当たり前」風になっていただくのが夢です。目標です。
どちらかといいますと普段使いで買うお店。それを目指しています。
わたしとしましては生協のようなしくみ。それはそれでありであると思います。わたしのような変わり者がいてもいいのではないかと思います。
西村 モデルとなる事例や、目指しているしくみがあればおかまいない範囲でお話下さい。
宇田川 そういう意味ではモデルというか、現状にあるモデルでこれに近づけようであるとか。それを目指そう。というのは正直ありません。
またただ新しいしくみをつくるという意欲だけはあります。広い意味での「地産地消」を進んでいます。それは重要です。
まずは地産地消を確立するのが1つです。またそれを他県であるとか首都圏での展開をしていく。そういうような段階を踏んでいきたいと思っています。今はお話できるような具体的なしくみはまだないですね。
西村 これは戯言のような話かもしれません。「健康ファンド」のようなしくみも必要であるかと思います。銀行や証券会社との提携は将来必要かもしれません。
どうせお金を預けるなら世の中のためになりたいという奇特な資産家もおられるからです。そんな人たちからお金を集めます。間違いない野菜は届けますよ。利子は野菜ですよとか。お天気相手ですので収穫の増減は当然あります。野菜を食べていただければ、あなたの健康は保障しますとか。
そのあたりはいかがなものでしょうか?
宇田川 実は高知へ来る前は会社員でした。株式市場や、資本市場に近いところで仕事をしていました。興味はありますね。
現状でもSRIという社会責任投資もありますね。こういった食の分野での「安心・安全」のようなことがあっていいんだ。と思っています。
今後恐らく出現するのではないかとも思います。
ただ現状ではファンとということになりますと資金を集めないといけません。100億とか200億とか、100億単位にならないといけません。ファンドとしてのうまみがないのです。それぐらいの単位でなければです。
それぐらいあつめないとファンドとしてもうまみというか魅力はないからです。それぐらいの規模でないと引受会社が現れないと思います。
現状の有機栽培農家の生産量や販売量であれば、ファンドにはなりません。
また高知県だけでファンドをつくるというだけでは、恐らく天災などが合った場合は損害をこっとり蒙ることがあるでしょうし。
そういうリスクの可能性があるので、高知とは違う県の農産物をリスクヘッジをかけたような形での有機農産物のなかで、トータルのファンドはあるのかなと。
わたしも1時期そうしたファンドの構想をもっていました。
西村 そうしますと全然可能性がないと言う話でもないのですね。将来は可能であると。やれる可能性はありますね。
宇田川 あると思います。わたしは第1号でなにかしらの関わりを持ちたいと思います。
西村 自然エネルギーとか森林とかも含めたファンドは可能ではないのでしょうか?
宇田川 環境というファンドは可能でしょう。エコ・ファンドのようなものは。むしろ「ナチョナル・ファンド」でしょうか。
西村 高知では可能であると思いますね、太陽光発電、風力発電、水力発電、木質バイオマス地域循環システムであるとか高知はありますし。それに有機栽培農産物を加えファンドをこしらえる。
まさに石油など化石燃料を使用しない農業ですし。従来型の石油製品だらけのハウス園芸のように石油価格の高騰のリスクはありません。天候のリスクはありましても。
そういう天候のリスクを折込み済みでファンドであると。
宇田川 普通の株主の関連投資でもいろんな銘柄に分散して組みますね。大きな台風が来てそのあたりの農地が壊滅すれば目も当たりません。それではファンドはできませんね。
ひじょうに奇特な大金持ちの人が出資する。10年に1回ぐらい50億ぐらい損してもいいとか。
小規模であれば個人的な奇特な人を集めて2~3億出すからやりなよ。というのはあるでしょう。それは定着はしないでしょう。その人頼みですね。個人が人にほれ込んで出資することはあったとしても一般的なファンドになるのは難しいでしょうし。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
西村 今月の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」のゲストは、こうち暮らしの学校の店長をされている宇田川知人さんです。
宇田川さんは神奈川県のご出身。こうち暮らしの学校の校長である松田高政さんは大学の後輩であるそうです。
「日本1豊かな神奈川県」から、数字の上では「日本1貧しい高知県」への移住。高知の何が宇田川さんを動かしたのでしょうか?今日はそのあたりをお聞きしたいと思います。
神奈川県は私も学生時代と社会人新人時代に、合わせて6年住んだことがあります。また子供が神奈川の大学へ進学したこともあり、10年ぐらい関わりがありました。個人的には第2の故郷という感覚があります。
東京に近く、大企業もあり、経済的には豊かな地域。横浜や鎌倉は歴史もあり、高知とは規模が違います。
高知はどういうところで宇田川さんにとって魅力であったのでしょうか?
宇田川 なかなか答えにくいところはあります。もちろん出身の神奈川県を愛しております。さきほど話がありましたが、こうち暮らしの学校の校長をしている松田高政君が大学の後輩であり、大学時代に仲良くなって、松田君が卒業して高知へ帰るということになりました。
高知どころか四国へも行ったことがなかったので、1度高知へ行って見ようか。一緒に来ました。私も松田君もお酒が好きですので、まず最初はお酒から入っていきました。高知のおいしいお酒とおいしい魚を食べて、そこで高知が気に入りました。
それ以来年に4~5回高知へ遊びに来るようになりました。そのたびにいろんなおいしいものを食べてお酒を飲んでいました。その当時は松田君は地域づくりのコンサルタント会社に勤務されていました。仕事でいろんな地域との関わりを持っておられました。
一緒に高知県下の市町村を案内してくれたこともありました。わたしは食べ物にものすごく執着のある男なので、その地域へ行くたびになにか良いものがあれば買い入れたりしていました。それで家に帰れば食べてということをしていました。
ずっとそれをくりかえしていました。高知のいろんな地域にいろんなものがある。こだわってつくられているものがある。それがひじょうに多いなということに興味を持ちました。
まず高知に興味をもった理由です。話は違いますが、日本全体を見たときに、首都圏への一極集中というのに疑問を感じていました。都会に住んでいながらそう考える人はなかなかいないと思います。
なにか東京になんでもかんでも集中しすぎていて、他の地域が弱くなっている。一極集中に問題があるんだろう。そう思いました。
高度成長時代は1極集中でよかったと思います。でもやはり経済が成熟してきたら、地域・地域で拠点となるところがあって国家があるべきではないのか。そのほうが経済がまわったほうが国全体としていいのではないか。そういうように壮大なことを考えるようになりました。
そういうことで松田君とのつながりや自分のやりたいことなので、高知でやろうということで一緒に会社をつくりました。
西村 神奈川は三浦大根や、三崎のまぐろ。小田原のかまぼこなど海山のものも豊富です。みかんどころの静岡も隣ですし。お菓子も鎌倉や横浜にはたくさんあり、神奈川で世話になった人に高知のお土産を持参するのに悩みました。
宇田川さんであれば、神奈川の人には高知のお土産はなにをお薦めするのでしょうか?
宇田川 やはりべたですけれども鰹は外せませんね。高知の鰹が1番美味しいとは思いますね。ですので鰹は外せませんね。
それからフルーツ、かんきつ類もいいですね。ちょっと時期は遅くなりましたが、新高梨なんかもいいです。今でこそ新高梨もいろんな地域でこしらえていましが、高知産のほうが大きくて美味しいです。
ですからわたしはそういう高知のものを神奈川へお土産に持って帰ります。
西村 フルーツものと言えば、フルーツ・トマトなんていうのもありますね。
宇田川 そうですね。フルーツ・トマトも今はいろんなところで栽培されています。でも徳谷については別格であると思います。あれは全く他の地域のものとは違います。
西村 それなりの競争力というか,指名買いをされるだけの力が高知の産物のはいくつかあるのでしょうか?
宇田川 はい。そう思います。あとは売り方が悪かったり、まだ埋もれている産物も高知にはあると思います。
西村 神奈川は経済的にも豊であり、自然にもそこそこ恵まれています。消費者の水準も高いと思われます。今後の展開で神奈川へ高知の産物を販売していく計画もあるのでしょうか?
宇田川 実は神奈川といわず首都圏に対して高知の産物を販売していく思いは持っています。そのためにも高知県内。高知市の人にいろんな高知の地域の産物を、ものの豊かさというものを知っていただくことです。
ゆくゆくは関東に向けた展開ー開拓をしていきたいと思っています。
西村 高知と神奈川のつながりはあるのでしょうか?昔は高知の漁師が横須賀に移り住んだりしていましたし。今は縁が薄いようにも思います。宇田川さんが「架け橋」になられたら高知の大きなポイントになると思いますが・・。
将来計画も含めておかまいない範囲でお話を聞かせてください。
宇田川 私個人のちからはたかが知れています。あまり大げさなことは言えません。やはりまずそういう意味では地場産品の販売の仕事をしています。まずは「もの」を通したつながりを考えています。
それは先ほど言いましたように高知の産物を神奈川県を含めた関東に出すことももちろんですけれども。逆に関東にある高知にないようなものを高知へもってきて販売するのもあるんではないかと。
いろんな形でものを通じて「高知の豊かさ」を感じていただく。それを微力ながらやっていきたいと思います。
また最終的には、人の交流などで貢献出来ればなあとも思います。これはまだまだ「壮大」すぎますので構想の範囲はでていません。
西村 将来神奈川から高知へ、安心・安全な農産物と食材をより安定供給するために投資を引きこむことは可能でしょうか?そのあたりはいかがなものでしょうか?
宇田川 そうですねなかなか難しいとはおもいますね。
やはり投資を引き込むためには、投資をする側にリターンがないとしません。やはりしっかり見せられる販売方法とか、ビジネスモデルなんかを確立するのが大事なことではないでしょうか?
高知へ来て思うことがあります。ちょっと地域のパワーがなくなっているのかもしれません。行政だのみになっていないかと言うことです。
そういう印象を受けることがあります。わたしは自分が事業を起こした人間としては民間の力でそういうものを造って投資を引き込む。そのためにも関東進出の足がかりをつくってビジネスモデルを構築すれば十分にか可能であると思います。
将来的はあんれるようにしたいですね。
西村 ビジネスモデルは、前にも言いましたが「安心・安全」でしょう。何が本物で、なにが偽者か。特に食の問題ではたくさんありました。毒物入りのお米の問題。毒入りの中国製ギョーザ。
みんなは食に関して安いものを買えば、そういう目にあってしまいます。では高いものを求めたらどうだったか。高級料亭吉兆のような「料理の使いまわし」もありましたし。
非常に不信感がありますね。赤福の問題もありましたし。そこへの安心感を提供できるようなしくみ。農産物であるとか。できないものでしょうか?
宇田川 そうですね。私達が今お店でやっているいことがそのことを実践しているところです。
首都圏のほうが、そういう「安心・安全」に関する考え方を強いと思います。やはり手に入りにくいですから。首都圏のほうがですね。そうなると今度は他県の農業生産県との競争になると思います。
「安全・安心」+「競争力」をどこにおくか。そこが進出していくポイントであると思います。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
西村 今月の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」のゲストは、こうち暮らしの楽校の店長をされている宇田川知人さんです。
9月9日に開店したはりまや市場。高知市中心商店街のはりまや橋商店街にあります。農薬や化学肥料をできるだけ使用せずに栽培された野菜や、高知県産のものを可能な限り使用した加工品を主に販売されています。
こうち暮らしの楽校は、高知市西塚の原のマルニ旭店内で開店しています。あちらと比較してお客さんの反応や、意見などの違いはありますか?
宇田川 まず塚の原のこうち暮らしの楽校なんですけれども、こちらのほうは開店してから1年ちょっと経つようになりました。最初つくるときに、こだわりの無添加ですとか、無農薬の野菜。そういった地場産品を扱うということでそれを前面に押し出したものですから、塚の原は、「オーガニック」ですとか、ナチョナルをもとめる。お客さんもこだわりのお客さんが多いです。
一方はりまや市場はやはり中心街の商店街ですし、人通りも多いところです。こだわりのお客さん以外に一般のお客さんもひじょうに多いです。またこうち暮らしの楽校へ来ていた方も来店されています。
いろんな多くの方にご利用いただいています。それで反響としましては、商店街のそのあたりというのはそういった野菜を買えるところが少なくなっているので、出来て良かった。という声もございます。
やはり無添加の食品や無農薬の野菜はどうしても普通のものと違って価格が少し高くなっています。高いという声も多いです。これは今後お客様に理解していただけるように努力しないといけないと思っています。
西村 現在不況の最中にあり、市民は生活防衛に走っています。価格的な問題はあるようですい、消費者のご理解が必要であると思いますね。
また有機栽培の野菜は、常に品が一杯であるとは限りません。自然相手の仕事ですし。お天気にも左右されますね。そのあたりお客さんの支援と理解が必要であると思います。
宇田川 本当に言われるとうりであると思います。有機で、路地で栽培している農産物につきましては、その季節の短い間でしかないものもあります。
スーパーなんですと常に並んでいる野菜が、時期によっては全くない。ということもあります。利用いただくお客様にとりましては不便をかけることになります。
ですけれども私の考えとしましては、「野菜でも季節感を感じていただきたい。」と思っております。この野菜が出てくるのは、栽培されている○○さんの畑から。うちはいろんな地域の生産農家の人がいます。
○○さんの野菜今回買って美味しかった。でもなくなってしまいました。そしたらまら来年が楽しみだな。という感じで野菜から季節感を感じていただければ。そして旬のものを食べていただきたいのです。
さきほども申し上げましたとうり、どうしても有機野菜は価格が高いです。なかなか毎日その野菜を買って食べるということが、できないお客さんも多くいらっしゃいます。
わたしもお客さんの立場ならなかなか毎回買うことが難しいのかもしれません。アトピーであるとか、農薬を使っている野菜は体が受け付けない。ということがない限り。毎回有機栽培の野菜を購入するというわけにはいかないのです。
なので私としては「野菜のご馳走」のようなものです。
お肉なんかですと、普段は安いお肉を使っているけれども、お父さんや子供の誕生日なんかはいい和牛を食べるとか。そういうことって個人の生活の中でもあるみたいなんですね。
野菜でもそういうのがあっても良いと思います。スーパーへ行きますと野菜は、たとえばピーマンなら皆尾同じ価格。他のものもすべてそうですね。
野菜でもそのものによって価格の違いがあることで価値も違っています。美味しいものもあればそうでないものもある。ですから普段食べられない人は、何かあるときに野菜のご馳走とかでご利用いただいたらいいなと思います。
西村 はりまや市場は、高知市の繁華街、飲食店街にも近い位置にあります。レストランや居酒屋などの業務筋への販売ルートの確立も必要ではないかと思われます。そのあたりはどうなのでしょうか?おかまいない範囲でお話ください。
宇田川 現在もそういった飲食店の卸のようなことを意識して、開拓しております。現実に飲食店の方でご利用いただいている人もいます。数はすくないですがいらっしゃいます。
ただ飲食店さんですとどうしてもこちらもコストの問題とかがあります。たとえばなんか有機野菜の一品みたいな使い方しか現状では出来ないのが事実であると思います。
もう一方で飲食店に卸す上の課題があります。常に同じ野菜がずっとあるわけではありません。種類も季節によりましては少ない時期も出てきます。そういう部分をどういう風に理解していただくか。
というのと、なるだけなんかか一品を使っていただける方向でいくしかないのかなと思っています。
もう1つは価格の問題で考えていますのは、有機の野菜は企画外品とい「う野菜がうのが、出てきます。これは普通の野菜より価格が安いです。
企画外品をなるだけ四国方と多い地域に出せるような体制を現在構築中です。
西村 そうでしょうね。どうしても野菜は規格外品も出来ますし。B級、C級の野菜が処理できれば生産農家にとっては言うことがありませんし。傷物、はねもんを引き取っていただければ農家は喜ぶと思います。それを開拓することが課題になると思いますね。
また食品加工してしまえばわからなくなりますし。煮物に使うとか。それこそカレーなんかにすればわかりません。それが有機でオーガニックで無農薬ならそれにこしたことはありませんし。
宇田川 それは飲食店さんにとっても、ご利用するお客さんにとってもいいことであると思いますね。
西村 有機野菜の栽培と販売だけではなく、有機野菜を原料にした加工品をこしらえることが大事であると思います。
タレントで農場を経営されている田中義剛でしょうか、最初はチーズをこしえて、それからキャラメルをつくって大繁盛していますね。ひとつの成功事例ですね。
宇田川 私も同感です。こうち暮らしの楽校もそういう機能をもちたいですね。
西村 はりまや市場は、半年間を期限とするチャレンジ・ショップであると聞いています。その後も継続して店舗を維持し、発展したいと聞いています。その場合はどうすれば、良いと思われていますか?作戦はありますか?
宇田川 まず当たり前で、チャレンジ・ショップであるいかんにかかわらず、多くの人に利用していただき、支持していただくことが基本です。
利用していただくためにどうするか?そういうことになると思います。
さきほども申し上げましたとうりですが、今有機野菜ということで脚光を浴びていますが、もう有機野菜というくくりだけでは駄目ではないかとわたしは思っています。
私は味で勝負していかないといけないと思っています。
有機であるからありがたがる風潮ですけれども更に伸ばしていくには、そのなかで味にこだわってそのなかでいいもの悪いものをしっかり見極める。それをちゃんと評価する。その価格で提供してお客さんに理解していただく。
そういうことが大事であると思っています。基本的な考え方としての商売としてはそういう風にしていきたい。それには生産農家のご協力もいります。まだ時間はかかるでしょう。
単に店舗でものをおいて売るだけでは駄目であると思います。有機野菜は普通のやさいとはちょっと違います。皮まで食べられる。芯も食べられます。味が濃いとか。
有機野菜ならではのレシピというんでしょうか、普通の味付けで食べるよりも野菜の味をいかすような食べ方を提案しながら、お客様に利用してもらう。
そういうことをやっていきたいと思っています。
西村 有機野菜の栽培農家の反応や期待度ははりまや市場に対して強いものがあります。しかし有機栽培の野菜は農薬や化学肥料を使用しないので労力がかかり、収穫量も少ないと言われています。
また持参した野菜はすべて買い取ってもらいたいという意向があると思いますが、そのあたりはいかがなものでしょうか?
宇田川 私の個人的な考え方。商売人としては買い取るべきだと思います。ただ今回はチャレンジ・ショップとして今回は有機農家の人を強く押し出すと言う面で委託販売というケースにしています。
私は基本は販売するほうが買いとって売る。それは栽培する人。売る人。それぞれしっかり役割分担があります。そうしないと効率的でないと思います。ですからすくないものを効率的に売るためには買い取ったほうが最終的には良いと思います。
西村 まさに食の問題では「安心・安全」が第1です。生産者の顔が見える販売。生産者と消費者のつながりをつくるしくみづくりは、はりまや市場では大事であると思います。
単なる産直ショップや食品スーパーとの違いを消費者にどのように理解させるのでしょうか?その作戦についてご披露ください。
宇田川 いろんなスーパーさんで産直コーナーや有機野菜のコーナーが見られるようになりました。わたしはやりかたもあると思います。
しかしそれはスーパーにすれば数多くある販売商品の本の一部分でしかありません。
仮にそのコーナーが売れなくてもそんなに損害は蒙りません。ですからそういう意味では「ファッション」的な要素ではないかとも思います。
ですから農家にも厳しいことをスーパーが言っている様にも聞いています。最初はそれなりに出荷できるので農家もやり気でやるでしょう。実際の有機栽培農家と消費者とうまく結びつくことが(スーパーを介在して)できるのかどうか。ちゃんと役割をはたすことができるのかどうかについては疑問を持っています。
われわれは有機の野菜であるとか、添加物の少ない加工食品しか扱いません。なおかつ有機栽培農家の皆さんとは直接現地へ行き、畑へ行ってお話しをしています。仕入れにてについてもいろんな話し合いで決めて行っています。
できるだけ有機栽培の農家の方が普通の市場に出しますと、農薬のかかった野菜と同じ評価でしかありません。価値や評価を見極めましてあるいみ納得して出せるという環境づくりをしています。
仕入れの部分で言いますと恐らく私達のほうが(スーパーよりも)きめ細かく、いいものを見れることができると思います。
一方お客さんとの関係で行きますとそうした有機栽培のものしか扱っていませんので、知識の面でもおそらく他のところとは違うと思います。
あと消費者と生産者をうまく結びつける。われわれは小規模なので小回りが聞くというメリットがあります。農家の人にお店に来ていただいて、消費者に話を聞いていただく機会をつくるとか。
あとは「食育」の面でもわれわれのほうが細かいことが出来て小回りができる。と思っています。単に物を仕入れて売るといのではなく。ものがどういう由来でどういう考えで作られる方がつくっていて、どういう味で、どういう食べ方がいいのか。
それがなぜ他のものとくらべて「安心・安全」なのか。それを伝えていけることが大きな違いであると思います。そこが強みであると思います。またそうしていかないといけないと思います。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
まちづくりといえばこの人を差し置くことはできませんね。
その昔お互い今より若かりし頃にヨット教室やカヌー教室をともに汗して運営した熱血漢である入野敏郎さん。1昨年突然香南市市役所を退職され農業者を目指し修業されていたことは風の便りに聞いておりました。
昨日久方ぶりに連絡があり会うことに。場所は香南市野市東佐古。香南市役所前の道路を北へ龍河洞 (りゅうがどう)方面へ1キロ行きますと、信号のある交差点があります。そこを右折し500メートル行ったところに入野さんのみかん農園はありました。
「知り合いに声をかけていただきたい。縁があってこのみかん園の世話をすることになった。みかんは収穫しないと木が弱る。今後のことは展開はおいおい考えたいし、みんなの知恵やネットワークをお借りしたい。それで今年はみかん狩りで知り合いに収穫していただきたい。」とのこと。
みかん狩りの料金は大人は1人1000円。小学生以下は無料。持ち帰りは20キロ入のコンテナー1つ分まで。期間は12月いっぱいは可能であるとか。
予約が必要。電話は090-4506-0424 です。
「ここのみかんはオクテという種類。今出回っているみかんとは種類が違う。1昔前のみかん。すっぱいところもあるがこれが本来のみかん。」
(左が今風のみかん。入野さんところのみかんは右側)
食べると程よい甘みと、すっぱさが。やはり今売られているみかんは農薬漬け、薬漬けであることがわかりますね。
「ふもとから山の頂上までみかん園。オーナーの人は昨年急逝されましたが、きちんと手入れをされている。ただ後継者がなく荒れ放題なので、弟さんから依頼され管理をしている。」とのこと。
入野さんが農作業用に購入したという軽トラ(わたしの愛車も軽トラ)でどんどん山道を登る。なかなかの絶景であります。杉林もあり、間伐されていないのでうっそうと茂っています。
イノシシが出るようでところどころ掘り返している。イノシシを生け捕りにする檻まであるには驚きでした。こんな人里近くに出るとは。またすぐ近くに竹林があるので、手入れをしないと山全体が竹林になってしまう。
みかんの木を見て驚きました。ちゃんときちんとしたみかんがたわわになっています。
うちの親戚が大昔いの町でみかんをつくっていましたが(一時期農協の指導でほとんどの農家でみかんづくりが奨励された時期がありました。しかしできばえは悪く、おおぶりのみかんで味も悪く美味しくなかった記憶がありました。やがてみかんの暴落がありみかん栽培は廃りました。)
でもここのみかんは小ぶりの実で食べると美味しい。さすがは山北みかんの産地に近いだけはあります。
「農協や農業指導の人たちも指導しようとしても、あるいはプロの専業農家の人たちも手を出せないぐらい広いみかん園。2町はある。
みかんの種類もオクテみかんやから市場へ出しても買い叩かれるだろうし。オーナーの急死で手入れもしていないから消毒もしていない。有機のみかんと言うてもえいし。」
「このロケーションを活用して体験農業や森林浴はできんろうかと思う。都市部から近いし、交通の便は(車ですが)えいし。
でも夢は語れど、目の前のみかんを刈り取らないと次の段階へは進めないし。」
「自分の小さな正義感というか、日本の農業を何とかせんといかん。食料自給を上げんといかんと言い続けていたら、現実の問題に遭遇した。けんどどこの農家もみな同じような問題を抱えている。」
「将来はこの地で、農業体験を組み合わせたアグリトゥリズムや農村民泊もしてみたい。ニートの若者や登校拒否の子供達の施設にもしたい。何かをつかむと思うし。また30歳代の県外の青年が定住して一緒にやりたいとも言ってはいるが、まだまだ経済システムが構築できていないし・・」と夢はとめどもなく広がる。
みなさんとりあえずは友人や家族で1人1000円の参加料を支払ってみかん狩りをしましょう。このみかんの山を「市民農園」として将来どう運営するかどうかについてはみかんを狩ながら考えましょう。
(連絡先)入野敏郎さん 電話090-4506-0424
みかん狩りは平日でもOKです。予約は必要です。場所は以下の地図の画像参考に。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
10月7日(火曜)は高知青年会議所主催の討論会「未来を語る 公開討論会」(かるぽーと 午後7時より)を見学に行きました。
激戦の高知1区の4人の立候補者予定者(橋本大二郎氏(無所属)、福井照氏(自民・現)、田村くみこ氏(民主(、春名なおあき氏(共産)がエントリーしているガチンコ選挙区であり、誰が当選してもおかしくないのですし。
9月7日の高知青年会議所主催の「まちづくりファーラム」では私も関わりがありましたし。担当委員会の森本道義委員長と中村彰宏理事長が司会・進行されると聞いたので見学にいくことにしました。
あいにくの雨でしたので自宅からは雨靴を履いて、。堀川のボートウォークを歩いてかるポートをめざしました。関心が高いようで会場は埋まっていましたね。結構なことです。
公益青年団体である青年会議所が地域代表を目指す人たちを皆呼んで意見交換会をすることはまことに良いことです。多少おたおたしようが、そのことを企画しただけでよいのですから。
ただうかつにも青年会議所側に「会場内での撮影許可」を頂いていませんでした。日曜日に自主防災会の神戸長田区鷹取町内会との交流事業や、昨日は高知シティFM「いますぐ実行まちづくり」の収録があったりしまして、手抜かりがありました。ブログ記者としては失格です。
さて討論会ですが、あらかじめ青年会議所側から質問を4人に送付してありました。以下の7つの質問から5つ程度当日質問するということでした。その質問内容です。
1)最も優先する政策は何ですか(景気対策か、財政再建か、構造改革か等)
2)消費税の増税についてどうお考えですか →財源問題についても言及
3)年金制度についてどうお考えですか
4)エネルギーや食糧を外国に頼っている現状を、将来的にどうすべきと考えているか
5)これからの高知が進むべき道について(地域間格差、地方分権と道州制にも触れながら)
6)中央集権、官僚政治について、改革ならば具体案について
7)それぞれ閣僚になるとすれば何大臣に就任したいか、何故か?
まずそれぞれの自己紹介と言いたい事の5分間スピーチがありました。
田村くみこさん。「わたしは介護の仕事をしていました。今の介護保険制度はおかしい。介護で働く人も、介護を受ける人も幸福ではありません。また高知県では2人に1人しか仕事がありません。格差をなくすためには政権交代をして政治を変えないといけません。
橋本大二郎さん。「国民は溜め込み型の生活防衛をしています。少々政府が公共事業や減税をしてばら撒いても昔のように景気は良くなりません。お金を国民が安心して使えるしくみをつくらないといけない。それには国と地方のあり方を変えることです。国は世界経済に対応する施策を行い地方に口を出さない。それには国に仕組みを変えないといけません。」
春名なおあきさん。「大学生2人と高校生1人の親で大変です。子育てだけでなく若者に職がありません。あっても派遣、臨時、パートの低賃金。私は国の政治のゆがみを直します。政権を投げ出す政党に国民生活は任せられないからです。」
福井照さん。「小泉ー竹中路線で地方は虐待されてきました。麻生総理は3年で景気を回復させると言っています。公共事業で地方に投資します。お金が地方で回ります。国と県と市のパイプ役で働きます。これからは環境と水と文化の時代です。日本は高知はこれからチャンスなのです。」
質問についての解答などは、新聞・テレビのマスコミを参考にしてください。質問で面白いなと思ったのは、最後の質問。7)ですね。「もし当選し、閣僚をやるとすればどういう大臣になりたいですか?」です。これはそれぞれ個性が出ました。
田村くみこさん。「わたしはまだ議員になってもいないし、経験もありません。介護の仕事をしてきました。厚生労働省の仕事と国民をつなげるセクションの仕事をします。大臣にはこだわりはありません。」
橋本大二郎さん。「国の形を変える。国と地方のありかたを変えないと私の構想は実現しません。やる以上は日本のトップリーダーである総理大臣です。中央主権から地方主権の国づくりをいたします。
春名なおあきさん。「後期高齢者医療制度や年金問題。雇用問題などに関心があります。わたしは厚生労働大臣になります。枡添さんには引退していただきます。」
福井照さん。「失言しない国土交通大臣といいたいですが、外務大臣を希望します。日本は戦後国境問題を全然解決していません。中国とロシアもかつて戦争した国境線を長い交渉の末に確定しました。日本の外交を充実させたい。」
参加者は約900人でした。雨の中大盛況でした。高知のマスコミ各社は全社来ていました。あるマスコミの人と隣になり聞いていました。「よい企画。JCは頑張っている」と褒めていました。
今日は司会を俺たちの高知創造委員会の森本道義委員長がおこない、進行役を中村彰宏理事長がされていました。懸命に話していた姿勢に好感を持ちました。学者やマスコミ人に司会・進行を頼まないでよかったです。
ただ1つ注文があります。マスコミだけでなくこの種のフォーラムは写真撮影もビデオも録音もすべて解禁にしていただきたいです。ブログで皆が紹介しあうことも大事ですので。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
今日の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」はゲストはいません。4月からスタートした番組の「中間総括」としてお話をしたいと思っています。
高知シティFMの戸田健史さんにもお話に加わっていただきます。
4月からまちづくりに実践的に取り組んでいる人たちをスタジオにお招きしお話を聞きました。さまざまなジャンルの人の話を聞きました。
話の話の人やまちづくりごっこの人たちではなく、実行している人、街づくりをしているひとに話を聞きました。
4月のゲストは中島健造さん。この人は休日は間伐ボランティアをされています。仁淀川町で実践しうまく機能しています「木質バイオマス地域循環システム」は、まさに間伐ぼらんティの活動から思いつき、実現したものです。
自然エネルギーの活用。間伐の推進。森林の保全。という大変重要な役割を中島健造さんは担われています。
戸田 そうですね。貧しい県高知といわれていますが。これならなんとかなりそうだねと言う気がしてきましたね。
特に間伐した後は通常は「切り捨て間伐」といいまして、そのまま山に放置されています。ほとんどの間伐はそうです。中島さんたちは「それではもったいない。」ということで、林地残材という建築用や用材として利用価値のない間伐材の部位(根っこの部分や、先端の部分)を小さく切り、自分達のトラックで佐川町のプラントまで運搬しています。
プラントでは小さく破砕しチップにし、それを木質ペレットに加工しています。利用価値のないとされた間伐材が熱効率の良い木質ペレットに生まれ変わるしくみができました。
いまや全国的にも注目されるプロジェクトになっています。
そして5月ゲストはうえるぱ高知の下元佳子さんたちに来ていただきました。利用者本位の福祉機器展。民間主導のバリやフリー・フェスティバルを運営されている実行委員会のみなさん(福島寿道実行委員長。白石研二県社会福祉協議会)にも着ていただきました。
この「高知方式」の福祉機器展は全国的に珍しく画期的な取り組みであるそうです。従来はメーカーの主催する福祉機器展示会でした。都市部でも良く見かけます。
利用者本位の福祉機器展は珍しいとされています。たとえば介護用のベットで競合しているメーカーが一同に集まり展示をする。来場者二説明をする。利用者本位の展示になっています。
利用者本位の福祉機器展をめざし、構築してきた人たちだけにその発言には注目していました。
戸田 6月に行われた第7回高知福祉機器展(13日、14日、15日高知福祉プラザ全館で開催)にはけんちゃんも足を運ばれたというわけですね。
そうです。うちの家族は両親が超高齢者(父89歳、母83歳)ですので家内と私と4人で行きました。
そのなかで「福祉機器展ツアー」というのがありました。それに参加しまして説明をうけながら展示ブースを見て歩きました。
6月ゲストは奥田奈々美さん。横山隆一記念まんが館学芸員です。高知のまんが
文化、コンテンツは素晴らしいことを説明いただきました。現実にフランスではまんがが「第9の芸術」という地位を得ています。
自民党の麻生太郎さんもまんが好きで話題をよんでいますね。
戸田 そうですね「ローゼン麻生」なんて言われていますね。
国際的にも日本のまんがと言いますのはひじょうに高い評価を受けています。高知はまんが家をたくさん輩出している。高校生まんが甲子園も開催している。地元新聞社がまんが投稿欄を設置し、積極的にまんがの振興を図っている。高新まんが道場もありますし。
地方新聞社がまんがの振興でがんばっていることは大変なことなのであると奥田奈々美さんから指摘されました。なるほどと思いました。
戸田 よくまんがを「サブカルチャー」と言われます。「わたしはサブカルチャーとは思いません。」という奥田さんの発言が印象に残りました。
まんがの研究、事例の研究、全国のまんが館との交流のなかから導き出されたまんが文化の重視する発言だけに重みがありますね。
また7月は浜崎一途(かずと)さん。この人は路上詩人「はまじ」としてはりまや橋商店街をはじめ活動されています。
街頭で対話をしながらアートな字を描く。その字は力強く描かれています。
いろんな人の相談にのられています。25~6歳の若者ですが、人の話を傾聴し、会話する「コミュニケーション能力」が大変優れた人であると思いました。
戸田 あれだけはまじさんは若い人ですが、いろんな人たちの話を丹念に聞き、接点をつくっていかれて話が広がっていくようです。そういう部分は私達も大いに学ぶべき部分があると思いました。
この時期は連続通り魔殺人事件などが起こりました。動機を語る犯人像などもありました。はまじさんの場合も決して生い立ちが恵まれているわけではないのです。しかし全然暗さを感じません。むしろ前向きに生きようとする姿を感じます。
それは路上でいろんな人と対話することでそのエネルギーを得ていると思います。素晴らしい若者であると関心しました。
戸田 この番組でも言っていますように「人と人とが対話する」とういう重要さは常に言ってきているところです。
そして8月のゲストは島本茂男さんと中平崇士さんですね。2人で出演いただきました。「高知の起源を考える」「高知らしさとは何か」ということで語り合いました。
高知で言えば「おきゃく」ということなどです。「高知らしさ」とか「土佐」の起源を古代史にさかのぼり、「まれびと伝説」であるとか、そこから高知のおきゃくが着ているとか。
邪馬台国は土佐にあったのではないかというお話とか。すぐには話にはついていけない部分はありましたが、なるほどそういう観点もあるのかということで、考えさせられました。
土佐の歴史と言えばすぐに「幕末・維新」「竜馬だ。民権運動だ」に収斂されていくようです。それだけでなしにもっと多様な起源があり、生業があるということを示していただきました。
戸田 そうですねこの土佐邪馬台国説ですが、何をとっぴょうしもないことをと最初は思っていましたが、お2人の話を聞いているうちになるほどそれはそうかもしれないと思えるようになりました。
ひじょうに興味深いはなしではありました。
そして9月のゲストは衆議院議員の福井照さんでした。この人はもともと国土交通省(旧建設省)の都市局のほうにおられた官僚出身です。「都市計画」や「観光」というものに大変ユニークな考え方をもたれた人でした。
たとえば観光であれば中国とか韓国、台湾などアジア各国から高知へ来ていただかないといけない。高知の人間が面白おかしく生きていないとだめである。不平不満だらけでは観光客は来ない。と言われていました。
また都市計画に関しましても、「風水」の考え方で、「風の道」「水の道」を重視した都市計画。地方都市は特に重要であるし、実現できるのではないか。
つまり街路ばかり建設して水路を埋め立ててしまう都市計画とは違うような観点があるように思いました。正直福井照さんの考え方には驚きました。
戸田 そうですね。都市問題といいますとなんかわかりにくい印象があります。それをわかりやすく、噛み砕いて話していただきました。
そして10月番組のゲスト(衆議院の解散・総選挙の関係で安全策をとり9月の22日から25日まで放送)は橋本大二郎さん(前高知県知事)でした。
国政にチャレンジされるということで、どういう形で県知事から国政へ目標を変わられたのか。いくつか質問をしました。
外交問題、安全保障の問題。産業振興の問題。地方の問題。道州制の問題。エネルギー問題など多様な観点から質問させていただきました。
それに対して橋本大二郎さんにお答えいただきました。
戸田 こちらの放送は本当は10月番組として、金曜日の午前8時10分から30分にかけて4週(4回)分放送する予定でした。しかし9月1日に当時の福田首相が突然辞任し、その後の自民党総裁選挙、などがあり、解散・総選挙が10月に行われるという情報もありました。
それで「前倒しを」しまして9月の22日から25日に特別枠で放送させていただきました。
これも福田総理が突然辞任するなんてことは、収録時点(福井照さんは6月末。橋本大二郎さんは8月)ではまったく予想がつきませんでしたし。
衆議院の解散・総選挙があったとしても年末年始かなと思い込んでいましたし。びっくりしました。戸田さんが言われたような番組特別枠での放送になりましたね。
福井照さんも橋本大二郎さんも「国のありかた」について、「地方と国のありかた」について真剣に考えるお話をお2人から聞くことができました。
福井照さん、、橋本大二郎さん以外にも後2人政党の公認候補者の人たちが出馬されるようです。そういう情勢の中で、情報提供ができたのではないと自負しています・
戸田 このお2人をはじめこれまでおこしいただいたゲスト出演者の皆様のトークはすべてこの番組のブログに掲載しています。ぜひともご覧いただければ幸いです。
福井照さん出演番組での発言のまとめl
9月7日には高知青年会議所主催の「まちづくりシンポジウムー俺達の高知創造委員会」がありました。パネリストとしての肩書きが「高知シティFM放送けんちゃんのいますぐ実行まちづくり」でありました。
このパネルディスカッションには尾崎正直高知県知事。岡崎誠也高知市長。高知青年会御所理事長の中村彰宏さん(サニーマート社長)とともに出席していました。
わたしは「今すぐ実行まちづくり」が肩書きで知事、市長に混じり発言しましたので、そのあたりもお話したいと思います。
戸田 どういう経緯でけんちゃんが参加されるようになったのでしょうか?
わたしも昔高知青年会議所のメンバーで活動していた時期もありました。(大昔ですが)。青年会議所は40歳が定年ですね。卒業すると縁がなくなるものです。
確かに青年会議所の現役時代は夜須町の問題であるとか、都市再開発セミナーとか、ロック野外コンサートなど多彩な活動を活発にしていました。
たぶん現役メンバーの高知青年会議所の方々が私のラジオ番組を聴いていただいたり、ブログやホームページを見ていただいたり、検索をされてから打診がありました。
6月頃にお話があり、やりとりを何回かしました。まちづくりの話をしていただきたい。他のパネリストは知事と市長を予定していますが、けんちゃんにも出演いただきたいということでした。
わたしは1市民に過ぎないし、もっと青年会議所のOBで立派な先輩達がおられると思います。と申し上げました。
そうしますと青年会議所の担当委員長は「市民の目線で発言いただける人を探していました。」とのことでありました。
確かにそうご指摘されたら、いろんなゲストの人たちは、さまざまな立場でした。まちづくりを実践されている人たちばかりです。
以前の番組の「けんちゃんのどこでもコミュニティ」ではのべ300人ぐらいの出演者にお話を聞いています。
だから高知のありかた。社会。文化あるいはまちづくりに関してはいろんな観点で意見を聞いていますし。市民の目線で市民の観点で発言ができるのではないかと思いました。
戸田 なるほど、それで実際にパネルディスカッションをされた内容はいかがでしたか?
高知の自立。何をもって高知へ売り出していくのか。「食」にこだわるとか。「食」以外の方法なんかあるのか?青年会議所の活動についてどう思うのか。という内容でありました。
わたしの意見は、オーガニックの野菜、有機無農薬の野菜栽培が高知は盛んです。それを活用した食文化の推進を申し上げました。
具体的にははりまや市場がはりまや橋商店街に9月9日にオープンしました。土曜日に旧高知ー大阪特急フェリー岸壁で開催されている「オーガニック・マーケット」などを強くする作戦であるとか。
太陽、風、水力、木質バイオマスなど自然エネルギー資源を活用する。農業で活用していますが、エネルギー分野でも火力や原子力に頼らない自然エネルギー資源を増やしていく活動をすべきであります。
ドイツが太陽光と風力を中心に自然エネルギーの比率を高め現在15%から40%に国策で高めようと努力しています。二酸化炭素を出す火力発電や、廃棄物処理が難しい原子力発電の比率を下げようと努力しています。
ところがそのドイツうよりも高知県は日照時間が200時間も長いのです。もっとドイツより推進できるはずです。高知では太陽光。風力。水力。そして木質バイオマス地域循環システム(間伐した林地残材をチップ化し熱源にして発電するしくみ)は高知県は可能です。
自然エネルギーの活用で高知は世界から注目されるようになるでしょう。
そのほか高知の強みである「まんが」や「よさこい」をコンテンツとして最大活用することを発言させていただきました。
戸田 発電の問題や設備の問題はあると思います。今ある、ものでまかなえるものはどうなのでしょうか?
高知は「ないものねだり」をしてはいけないと思いますね。
今あるもの。高知に豊富にあるものでどう活用していくか。ということを可投げないといけないと思いますね。
数字的な統計でみれば、失業率が高い。県民所得が低いとかになりますね。「ないないづくし」の哀れな高知県になります。本当に景気が悪いと。
高知へ進出してくるのは大手のパチンコ会社や家具店。ボーリングを中心とする遊戯場など。それでこうちには「未来はないのか」と言えばそうでもないと思います。
それは「あるもの」を活用する。まんが文化であるとか、太陽光エネルギーであるとか、よさこいであるとか。あるもの自然であるとか川であるとか。歴史であるとかを見直して、落ち込む必要はないとは思います。
卑屈にならずに自分達が自信をもって面白おかしく生きればよいと思います。「生きている」ことを確立することができれば高知の未来は明るいと思います。
おびさんマルシェの大西みちるさんであるとか、ららら音楽祭なども素晴らしいイベントでありますけれども、そんなにコストはかかっていません。まさに高知の「あるもの」を上手に活用しています。
自分達の文化や誇りを育てていくことを県民各位が立場を超えてやれば面白い街になると思います。
戸田 お金がないから何もできない。のではなく、ないなりになにかできそう!と思いますね。
そうですね。活動的な人たちでありながら、広い周囲を見渡せる目を持った人たち。交流のできるひと。コミュニケーションのできる人。
それでいろんな人たちの多様な価値観を受け入れながら、高知の未来を切り開くことができれば、それこそ「今すぐ実行まちづくり」で高知は豊かになると思います。
中間総括させていただきました。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
西村 今月のゲストは前高知県知事の橋本大二郎さんです。橋本さんは4期16年勤められた高知県知事を昨年12月6日に退任されました。そして今年4月2日に国政へ挑戦されると表明されました。
知事時代と同様に政党関係の支持を獲得せず無所属で挑戦されます。
今回のテーマは「地球時代のリーダーとは」でお話をお聞きします。
橋本さんは「産業政策でも中央集権型で各省庁が、縦割りの事業を全国に一律に進めていたのでは高知県のように地理的に不利な条件を抱えた県は、いつまでも相対的な不利を解決できません。」と言われています。
産業政策の分野でも中央主導の産業振興を転換させるということなのでしょうか?
橋本 そりゃそうですね。産業政策でも補助金政策で、産業政策を進めようとすれば、中央の関係の省庁がつくった補助金を全国に配分する。そうすればそれぞれの県に全然違うような形でということにはなりません。
やはり一律的な補助金を配分していく。ということになります。特に高知県のように産業面で遅れた県にとってみれば、税金やなんかをドラスチックに変えていく、その仕組みを変えていくということができれば、それはそれで「誘導策」として企業を呼び込むとか育てるとかということができます。
そういうことができなくて、一律的な補助金を受けるということであれば、後進性、後発性というものを乗り越えるということは出来なくなってしまう。ということになります。
ですからこういうような中央集権のなかでの産業振興というのは、今の時代に殆ど意味をなさないのではないか。国はもっと技術開発だとか、違うことにお金をつぎ込んでいくべきです。
西村 食料生産について。日本はカロリーベースで食料自給率が50%ありません。
橋本 40%を割っていると思います。
西村 遠い外国から食料を輸入しています。そのことが物凄くCO2を排出していることにもなります。
農業政策で自給率を上げて、国際公約にもなることは可能なのでしょうか?
7月30日には世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が決裂しました。解決策はあると思いますか?
橋本 いくつかの問題が絡んでいます。というか複雑に入っていますね。
そうした問題とまとめて言われましても答えようがありません。
私は農業ということはこれからの国の基本に据えて取り組んでいかないといけない。と大二郎の旗で言っています。
そのためにもこれも同じ話の繰り返しになりますが、農林水産省が補助金という形で全国に配分していく。また公共事業中心の農業政策を進めていく。そういうようなやり方は辞めるべきだと思います。
一方で食糧危機だ。お米をもっと増産をしないといけない。自給率も上げないといけないと言いながら、減反政策を進めるなんて、全くナンセンスなことを平気でしています。それを自民党の農水族と一緒になってやるなんていうことは、言語道断だとわたしは思います。
こういうような農業政策は基本的に改めなければいけない。ということを思います。そのための手法はいろいろありますけれども、短い時間でなかなかお話をしにくいのですが、企業の参入もあります。そのことにいろんな問題点を指摘される方もおられます。わからないのではありません。
どこか一箇所だけに企業の参入をしてやろうとしても、農業は天候に左右され、収益性の見通しのつかないので、なかなか企業経営という考え方と、合わない。
それぞれの地域で農業者、お百姓さんを給料でお雇いをする。しかもそれぞれの地域で年によって、出来高のいいもの悪いものがあります。
全国で考えればリスク分散になってポートフォリオと言いますけれども、それによって収益をあげることができる。というような。年間100億円ぐらいの収益をあげる企業が出てきています。
こういうようなやりかたの農業というものをもう少し真剣にわたしは考えていくべきだ。と思います。そういうものが次々と企業体として出てきたときに、今日本には1500兆円の個人資産があります。それを投資する場がない。お金が死んでしまっています。お金がまわらない状況になっています。
申し上げた新しい形の農業をきちんとした産業にして育て、それをみんながもっている個人資産の投資先としてつかっていく。農業だけでありませんけれども、教育であるとか、エコ・エネルギーの新しい事業だとか、言うものをいくつか立ち上げていってそこに個人資産を投資をしていくと言う形で日本人の持っている資産をもっと日本の国内でまわしていく。
このことが私は日本全体、地域も含めた経済の活性化に間違いなくつながっていけるのではないのかなと思います。そのビジネスモデルをもう少し細かく書き上げて、お示しをしていきたいと思っています。
西村 エネルギー政策についてお聞きします。ドイツなどでは国策で太陽光や風力発電など自然エネルギーの活用を提唱し実行しています。石炭や原子力の利用を極力抑えようとしています。
そのあたり日本のエネルギー政策はどうあるべきですようか?
また橋本さんは原子力発電についてはどう考えられていますか?
橋本 まず原子力発電については、今の発電の30%を担っています。そのことを無視してはいけないと思います。
わが県の東洋町でも高レベル放射性廃棄物最終処分場の問題がありました。これは私は高レベル放射性廃棄物を日本の国内で処理することにまっこうから反対していることではなく、ああいうやりかたでは絶対にどの地域にもできない。やはり地域の住民の理解を得られる手法を考えないといけない。という趣旨でわたしは反対の立場を貫きました。
原子力発電というものも冒頭からバランスということを言っていますが、いくつかのエネルギーのリスク分散のなかで、バランスとしては日本では当然考えなければいけない。1つの手法だと思います。
太陽光だとか風力とかエネルギーの政策に関しては、わたしは国として1つの方向を出していくことは大切です。これも地域自立型の国家構造ができていけば、高知県はエコ・エネルギーでいきましょうと。もっと明確に打ち出していけます。
国から補助金をもらって太陽光や風力なんかをやっていくのではなく、高知県の政策として、四国州の政策としてそういうものを打ち出していく。まさに高知県なんかはそういうことにふさわしい。県であると思います。
自然エネルギーなどを「県づくり」。地域自立型の国家構造になっていけば、明確に打ち出して県の特長にしていく。そういうことを、そういう国づくり、県づくりにつなげていきたい。とわたしは思います。
西村 原子力発電に関しては、橋本さんは否定的ではないのでしょうか?
橋本 否定的ではありません。
西村 使えるものは使おうと言うことですか?
橋本 使うべきだと思います。
西村 しかし原子力は廃棄物の問題とかあります。また日本は世界の地震大国でもあります。狭い日本の国土ですが、全世界の地震の10%は日本で起こっています。震度5以上であれば25%が日本で起きています。
橋本 それだったらそれで原子力発電を全部やめてどうするんでしょうか?
西村 すぐにはできないとは思いますが・・
橋本 すぐにはできないということでは、いけないわけですね。エネルギーというものは。1年止まったらそれは心臓にペースメーカーをつけたりしている人達が生きていけないとか。寒い中で生きていけない。そんな問題が出てきます。
ですから現実のなかでのバランスでウエイトを上げるか下げるかを今後考えていかなければならないといけません。全否定してすむ問題ではないとわたしは思います。
西村 原子力発電は全否定はしないと言うことですか?
橋本 そうです。冒頭からそう申し上げています。
西村 青少年育成についてお聞きします。
最近、無関係の人を殺害する通り魔事件が多発しています。
橋本さんは知事時代に成人式で騒がしい新成人を一喝したことがありました。
青少年育成のためのアイデアなどありますか?
橋本 青少年育成のためのアイデアということですが、私は小学校の教育体系を抜本的に改めるべきだと思います。
よく「知・情、意」ということを言います。知性と感情と意志ということです。そのなかでも日本は知性よりも知識だけを重んじた教育をずっと続けて来ました。
小学校に入った段階からそういう教育をしています。それを根本からあらためて,感性、感情と意志ということを重要な1つの教育材料として教えて行く。スポーツだとか芸術だとか言うことを中心に私は小学校教育というものを組み立てていく。
知識やなんかのことを後から、中学へ入ってからでも間に合うと思います。そのためには東京大学を頂点にしている大学の受験体制、ピラミット体制と言うものを変えていく。受験のありかたも一緒に変えていく。そして小学校の段階から教育の仕組みを変えていくことが私は1番大切なことであると思います。
西村 地球環境を守るために「大二郎マニフェスト」はありますか?
あたためているアイデアや政策などがありましたら、おかまいない範囲でご披露下さい。
橋本 突然で全く違った話しになったもんで・・どういう意味ですか・
西村 さきほどの教育の話から飛んでしまいましたが、環境を守るために日本が果たす役割はあろうかと思います。日本の得意分野もいくつかあると思います。
地域でやれる部分。国全体でやらなければならない部分。さきほど原子力発電の話にもあったんですが、たちまち止めたら困るというお立場であるということが初めて知りました。
それ以外の方法。原子力以外の方法とか。あるいは共存型社会をつくる。。・
橋本 何と何をつくる?
西村 環境保全型ですね。そういう意味においてです。たとえば廃棄物を出さない。処理に困るようなものをつくらないとか。そういう意味においてです。循環型社会というのであれば、捨てる場所に困るようなものをこしらえない。すべきではないのかと私は個人的には思っています。それは原子力も含めてです。
生産物。製品。農業でもそうでしょう。それをしていく循環型社会に転換していく役割を果たすべきであると思います。そのあたりを橋本さんがお考えになっていること。
橋本 お考えになっているという意味が余にも具体性を欠くので・・。わからないんですが・・・
わたしは地球環境というのであれば高知県は80数パーセントが森林で全国1の森林の比率の高い県です。森林の整備の大切さを地球環境の1つとして訴えてきました。
森林環境税もそうですし、企業との協働の森の動きもそうです。このなかでCO2の吸収証書を出したり、削減証書を出したりと言うことをきちっとしたPCCのガイドラインの計算式でしてきました。
わたしは日本全体の今後の排出量取引なんかで具体化をしてくる時の大きなテーマになってくる。またそのモデルとして活用していただけるだろう。と思います。
やはり日本というのは緑・森林というものを大切な資源とする国です。こういうことを高知県からせっかく発信したものを全国に広げ、全国的な運動の取り組みとして行くということをやっていかなければいけない。と思います。
世界ということでしたら公害の問題。水の問題。今申し上げた地球環境の問題などは日本はひじょうに多くのノウハウをもつ国です。これを世界貢献の1つの材料として使っていく。そういうことが日本の国家戦略として大切ですし、そういうプロジェクトをやはり日本はアジアの国ですから1つ中心にして、いくつかのプロジェクトを国として明確に立ち上げてそこに若い人、または私たちのような団塊の世代を含めていろんな人たちに参加をしてもらう。
それを若い人達が日本を誇りにし、日本という国をベースに世界貢献していくベースにする。ようなことも国の力を強めることになります。
西村 防災対策なども日本は進んでいると思います。そのノウハウを伝授するということにもなると思います。
橋本 突然防災対策になりましたが・・そういうことでいえば防災もそうです。それから食糧危機に関して農業技術もひじょうに進んでいる県ですし。
水不足の問題も世界中で起こっています。水供給の問題でも日本は技術が進んでいます。
様々な分野で世界に貢献できます。世界1の長寿国でもあります。保健医療の問題でもそうです。教育を受けられない子供達に教育のチャンスを与える。様々な分野で国際貢献のプロジェクトをつくっていける。
そこに若い人達が、どんどん参加をして日本という国、国力というものに強い意識を持ってもらう。そんな国にしてもらえばと思います。
西村 日本は衰えるばかりという印象をもっていましたらが・・
橋本 今のままならそうなります。
西村 国の形、ありかたを変えなければいけないということですね。
橋本 国の形を変えれば日本は間違いなく元気になります。それから1500兆円の眠っている個人資産をみんなが使っていける。投資をしていけるような形に変えていく。そういうことが出来れば、日本は底力は強いものがありますので、元気な国になるのか間違いないと思います。そういう国に是非していきたいと思います。
西村 今なら未だ間に合うのだと。
橋本 まだ間に合います。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
西村 今月のゲストは前高知県知事の橋本大二郎さんです。橋本さんは4期16年勤められた高知県知事を昨年12月6日に退任されました。そして今年4月1日に国政へ挑戦されると表明されました。
知事時代と同様に政党関係の支持を獲得せず無所属で挑戦されます。
今回のテーマは「あるべき国のかたちとは?その2」でお話しをお聞きします。
今回は外交や憲法のありかたについてお話をお聞きします。
外交姿勢についてお聞きします。小泉純一郎内閣以降、日本の外交政策は対米一辺倒と思えるところがあり、見ていて「対米従属」にしか見れません。おかげで日本の存在は埋没し、日本の良さや独自性はなくなったうようです。次期米国大統領候補も日本には無関心なようです。このあたりはどう考えますか?
橋本 アメリカという国は日本にとって非常に大切な国です。のちほどご質問が出るかもしれませんが、日米安全保障条約そのものも、私は日本の国の安全を守る上に必要な条約だと思います。
また日本の位置というものを考えれば、やはり中国にも近い。中国とアメリカという大国に挟まれた国ですから、それぞれとの国との付き合いかた。これは経済的なマーケットということもありますし、政治的、軍事的、防衛的な意味もありますけれども、付き合いかたというのはひじょうに重要でバランスを崩してはいけない。ということを思います。
その点、やはり小泉さんの考え方と言うのは、明らかにバランスが崩れていました。アメリカ追随型と言われてもも致し方なかった。その背景には外務省というものが、ひじょうに腰が引けていて、アメリカになんか言われるとそこに付いて行ってしまう。という外務省の体質があって、そこに小泉政権も引きずられたのではないか。と言うことを自分は思います。
西村 日本国憲法についてお聞きします。安倍晋三前首相は憲法9条の改正を提案し、自衛隊を海外派兵できるようにし、積極的な国際貢献をしないと日本は孤立するからと言われていました。
このあたりはどのように考えられますか?
橋本 このあたりと言われてもどのあたりかわからないので、憲法改正のことでしょうか?
憲法改正のことで言えば、9条に限らずですが、憲法はやはり改正をして新しい国の形をつくること。何度も繰り返して言っていますが、地域が自立できる。国は国で国家戦略をもって戦う。そういう新しい国家構造というものを憲法できちっと位置づけなければいけない。
これから100年の計という国づくりのために、わたしは憲法をみんなで議論して、新たにつくっていく。大切なことだと思います。
そのなかで9条に関しても、日本という国民と国土というものを守るのは、主権国家としては当然のことですので、そのことは明確に規定をしていくべきです。自衛の為の軍を持つということも明確に既定すべきです。
ただそこから先の例えば自衛隊が海外に派遣される。戦いのある場所で自衛隊が活動する。などどいうことは私は絶対にすべきではない。この日本という国が、戦争という大きな犠牲を払って、ある意味血であがなって、獲得した平和憲法というものは、平和主義というものは私は大切にしていくべきものだと思います。
東南アジアやアジア諸国のなかでは、日本の軍というものに対してひじょうに敏感な想いというものが未だ数多く残っています。自衛隊を出していく問題を考えた時、そういう協力のしかたではない、日本の協力、国際貢献というものが当然あると思います。
そういうことが日本という国がこれから目指していくところだと思います。
西村 橋本さんは高知県知事に時代に、非核3原則にもとづき、「非核港湾条例」を提案されたことがありました。条例は県議会で継続審議になり廃案になりました。
最近高知県宿毛市への米軍核廃棄搭載可能なイージス艦が寄港しました。また宿毛市長は岩国基地の後方支援基地として米軍施設の誘致を言われています。このあたりはどうか考えたら良いのでしょうか?
橋本 それはちょっと。もうわたしの権限を離れている。どういう風にという。ですので何をどう答えればいいのでしょうか?
西村 県知事時代に「非核港湾条例」をつくろうとしたのでは・・・
橋本 私は条例をつくろうということを申し上げた。それぞれ条例がない時点で政治的な判断、行政としての判断をどうしていくか。現在の法律にしばられるところがあります。条例にしばられることもありますので、条例をつくろうということと、現状の法や、条例の体系の中でどういう判断をしていくか。それは別のことであると思います。
西村 さきほど日米安保のお話もされました。
米軍基地の存在はどう考えられますか?世界2位の経済力がある国が今でも米軍に駐留している理由はわかりません。このまま米軍がいたほうが良いのでしょうか?また撤退いただいたほうが良いのでしょうか?
橋本 それはバランスの問題で、今日本にいる米軍すべてが必要かどうか?わたしはそこまで全部調べてはいません。その辺をお答えすることはできませんけれども、さきほど言いましたように日米安保条約というものは日本の国というものを守っている。ひじょうに大きな意味合いを持っているという風に思います。
またいざというときは、手助けをしていただく存在だ。と思います。そうした意味で日本のなかに米軍の基地をおいていくということは、私はとても意味のあることだと思います。
西村 さきほども話しに出ました。自衛隊の役目についてはどう思われますか?作家城山三郎さんは「軍隊は人を殺す組織。自衛隊は人を救う組織。みかけは軍隊に似ているが異なる組織」と言われています。
国論が分裂したままイラクやインド洋に自衛隊は派遣されました。そのあたりはどう思われますか?アフガニスタンへの自衛隊の派遣の話もありました。このあたりはどのように考えられますか?
橋本 イラクとインド洋とアフガニスタンに関してはいずれも派遣には反対です。
西村 その理由はどういうところでしょうか?
橋本 さきほど申し上げたとうりです。戦闘地域に私は自衛隊が出て行くべきではない。日本の平和主義というのは貫いていくべきだ。そういう風に思います。
ただ日本という国は、主権国家、独立国家です。国土、国民を自らの手で守ることは当然必要です。そういう手段も持たない。自分の国、自分の国民を守ろうともしない国を他国が助けてくれる。決してそんなことはない。
自分の国は自分で守る。という姿勢と、それだけの軍を持つ。そのことによって初めて安全保障条約というものも活きて来ると思います。つまり難しい言葉で言えば、「個別的自衛権」というものは、当然主権国家にはあるべきもので、自衛隊もその個別的自衛権の中で、範囲で動くべきものだ。というふうに思います。
西村 中国人監督が製作した映画「靖国」。靖国神社のありかたが話題になりました。毎年政府閣僚や国会議員の靖国参拝問題が話題になります。
橋本さんの考えはどうなのでしょうか?靖国神社についてです。
橋本 靖国神社というのは、戦争で亡くなられた人を奉った神社です。そのことを日本人の1人としてそこに奉られた方々の想いをはせるという。その英霊の慰めをするということはそれは認められてしかるべきであると思います。
ただ政治的意味合いということでいえば、私は中国がどうのこうの言うからではないですが、国内にそのことに賛成する方々、反対する方々がいる。国内の論議が2分されている。2分されているということは、誰かしかるべき政治家が靖国神社に公式に参拝した。必ず中国なり韓国なりが反対の声を上げられる。そのことに対して中国や韓国のいうことはもっともだ、という方々と、そんなことはないという方々が国内で分裂をする。
ということになりますので、そうやって中国や韓国に日本の国論を分裂させることに利用させることを政治活動としてする必要はない。と思います。
西村 日本の国論が分裂したら・・
橋本 利用されるだけだから。
西村 日本は国連の常任理事国になるべきなのでしょうか?またなるとしたら自衛隊の海外派遣は必要なのでしょうか?
橋本 わたしはなる必要は全くないと思います。これは大二郎の旗の中でも言っていますが、国連の決議があっても自衛隊は戦闘地域へ自衛隊は行くべきではない。戦闘地域に派兵をすべきではない。と明言しています。
西村 韓国との竹島問題。中国との東シナ海の海底油田問題。ロシアとの北方領土問題。隣国との国境問題と友好関係の維持はどうあるべきなのでしょうか?
橋本 これはそれぞれ歴史的経過も違うし、経済的な価値も違います。政治状況も違います。いちがいに丸めてできません。
竹島問題。韓国から言えば独島(ドクト)。これはわたしは日本の領土であると思います。ただ韓国の主張というものもあるわけですし。あそこはきちんと議論をしていけばいいし。本来は国際的な裁判所に問題を持っていって、きちんと決めてもらう。というのが筋であると思います。
中国との海底油田の問題ですが、経済的な意味合いがあります。今回日本側から共同開発という形が進んでいて、その方向で良いと思います。
それからロシアとの北方領土問題。4島についてはわたしは個人的な意見を申し上げれば、4島変換にこだわらないと思います。やはりロシアは大きな資源を持った国であり、そこに日本が共同開発して関わることができれば、ひじょうに大きくひらけているマーケットを考えた時に、4島返還にこだわって、平和条約さえ締結していない。そういう状況をいつまでも続けていくべきのではないのではないか。
とりあえず2島を返してもらって、後の2島はペンティングという形で、条約を結びロシアとの経済的交わりを太くしていく。そういう風な戦略を私は練るべきではないか。
西村 北朝鮮との関係です。進展しない日本人拉致問題があります。これはどのような解決策があると思われますか?
橋本 わたしは今の金正日(キム・ヨンジョル)政権が倒れるまで待つ以外にはない。と思います。その間のいろいろ相手の出方によって外交的なことをきちっと決めていくことは必要です。
やや中長期的に言えば、北朝鮮の体制が崩れるのを待つしかない。
ここでもさきほどから外務省の弱腰を言っていますけれども、とにかく国が地方のことに口出ししてごちゃごちゃするよりも、こういう問題にきちんと対応しなければならない。そういう国になっていかないといけない。
そのために私は地域は自立しないと。国は国の戦略を持って世界との交渉をすべきであると言っています。
西村 「歴史問題」についてはどう考えられますか?一方で中国や韓国でもしょっちょう歴史教科書問題でクレームをつけられています。
それで右往左往しています。国論がこの問題でも分裂気味になります。これはどのように考えられますか?
橋本 私はこれまで日本の総理大臣が何度か発言をされています。もっと明確に、ここまで戦後60年以上経って敢えて言う必要があるか。やや外交交渉を経た上のことですが。
やはり日本という国が朝鮮及び中国に侵略をした。そのことの過ちということを明確に認め、反省をしていく。私は日本の戦後のスタートとして絶対必要なことであった。と思います。
西村 素朴な質問です。現在の日本は小選挙区制度ですね。政党がひじょうに有利な選挙制度になっています。ポスターも政党関係者でないと候補者の顔写真入ポスターも貼れない。
無所属でトライする人はひじょうに大変な状況になっています。先ほどの壮大な話で国を変える。はやく変えてくれ。地方のことは地方でやらしてくれ。そういう声はあると思います。それは政党の垣根を越えてあると思います。
いつどの時点で橋本さんが明確にして集団をこしらえて、なさるのか。選挙の前にバンとやるのか。後でやるのか関心はみなあると思います、そのあたりはどうなのでしょうか?
橋本 それは今の段階ではまだどうできるのか。そこまでの見通しがついているわけではありません。と言うのは、やはり選挙の時期がいつになるのかにもよりますね。
もし新しい政党でやるということになりますと、そこへ行き着くのであれば、選挙の前にそういうものをお示しをし、お示しをするというのは考え方は大二郎の旗の中にきちっと盛り込んでいますが、その党の名前も含めてです。
そういう政党としての活動を示して審判を仰いでその後の活動につなげる。それが必要であろうと思います。
たとえそうでなくても、単に無所属の議員として議席をとっても、それはどんな大言壮語してもそれが実現するわけではありません。やはり政党政治というその国会の中で多数をもって掲げている政策理念を実現していくというわけです。
そのためには無所属のままであれ、新党であれ、議席をうる事が出来たのなら多数派の工作と言うものを当然考えなければならない。
また事前であっても今の自民党、民主党の現職の議員が出てきて、党から離れて新しいグループをつくる。それは現実にはひじょうに可能性が少ない。難しいと思います。
けれども、さきほどから言っていますように、両方の大政党に政策的なねじれがありますから、わたしが掲げている大二郎の旗の考え方に自民党の中にも、民主党の中にも賛成であるという方がいて、その方々がそれぞれのグループとして選挙前に考え方をお示しになり、これはわたしの大二郎の旗と同じだねとなるとそれぞれ連携をして、国民イお示しをする。つまり選挙を通じてそれぞれのクループが議席を得たら、これは選挙後にいっしょにやろう。ということを国民にお示しをします。
それで選挙にのぞむ。ということは可能性としてはあります。それは当然多数派をつくっていく。それを目指さなければならないと言うことになります。
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)
西村 今月のゲストは前高知県知事の橋本大二郎さんです。橋本さんは4期16年勤められた高知県知事を昨年12月6日に退任されました。そして今年4月1日に国政へ挑戦されると表明されました。
知事時代と同様に政党関係の支持を獲得せず無所属で挑戦されます。
今回のテーマは「あるべき国のかたちとは?その1」でお話しをお聞きします。国と地方のありかた。国のありかや役目についてお聞きします。
橋本さんは著作「融通無碍」のP135でこういわれています。
「改革と言いながら。地方分権を実りのあるために欠かせない国から地方への権利移譲はないがしろにし、中央集権を強化しました。」とあります。
三位一体改革は
(1)国の、持っている補助金。負担金の廃止、削減。
(2)税財源の地方への移譲
(3)地方交付税の仕組みの見直し の3点セットだったはずです。
実態は高知県においても国の財政運営のつけを地方に押し付けるだけの改革とは名ばかりであった。と言われています。2004年度で260億円の財源不足と言われていました。そうだったのでしょうか?
橋本 そうですよ。全国で5兆円削減されました。先ほど説明にありました三位一体の改革と言うのは、国の、持っている補助金。負担金の廃止、削減をする。国が地方のことに細かいことで口を出しをする。そういう仕組みをやめましょうというのが1つです。
交付金や補助金を廃止すれば、そのぶんの財源が浮きますからその分を地方に移して、国の紐のつかない財源として地方が使えるようにしましょう。それが2つめでした。
そうすると財政の事情も変わってきますから、それに合わせて地方交付税も見直しをする。それが3つめでした。それを一緒にやろうというのが三位一体の改革でした。
ところが、蓋を開けてみると、補助金と交付金は3兆円廃止をされました。地方に財源が移されたのはほんの僅かです。殆ど国の中で使い回しをされていました。
にもかかわらず地方交付税だけが「先取り」をして一気に5兆円削減されました。このため高知県の場合では、2002年度にはほぼ収支が見合う予算を組んでいました。 僅か2年後の2004年度は263億円の財源不足が生じるということになりました。
高知県だけではなくて地方全体のことです。約束違反だおかしいと言う声が、強くあがった訳です。だけど今の国と地方の力関係では、それ以上国のしてくることをはねつける力が地方にはなかった。
そのために5兆円の削減は、そのままのみこんで、それがずっと今もボディ・ブローのように高知県だけではなく各都道府県に効いて来ています。
西村 橋本さんはご自身の公式ホームページのなかで「財源と権限を地方に全面的に移した、地域自立型の国家構造を実現することで、国の役割と地方の役割をより明確に分けていきます。」と言われています。
一方最近「道州制」ということも政府筋から言われています。意味合いが異なると思います。橋本さんの言われる「国の役割、地方の役割」のモデルとなる国はありますか?
橋本 アメリカなんかがそうですね。州と国は全く違った役割をしています。税金も各州で独自に決めています。
西村 ということは国が提唱している「道州制」ではなく、「連邦制国家」がモデルなのでしょうか?
橋本 それは道州制でもいいわけです。道州制と言う言葉が「同床異夢」で使われています。地方が言っている道州制と、国の言う道州制は違います。
地方は国の権限・財源を地方へ移す。地方へ移して地域が自立できる。そういう社会体制をつくる。その時に高知県という単位が運営のときの単位でいいのか。それとも四国が一緒になった単位が良いのか。それとも更に中国・四国が一緒になった単位がいいのか。言うことを議論するのが、道州制です。
ところが、国の言っている道州制は、今の中央主権、今の中央の官僚や政治家が地方の細かいことまで口を出し、地方を縛り付ける。こういう体制をそのままにして。47の都道府県は数が多すぎて財政的にも大変だから、9つか10にしようと。
つまり国の言っているのは本来の道州制ではなく、都道府県合併なんですね。このことをきちんとわけていかないといけないですね。つまり権限財源が地方へ移っている。そういう国家体制なのかどうか。そうであるのかないのかを見極めないといけないのです。
単に道州制という言葉を言っているだけですと、国と地方はまったく違う意味で双方が道州制と言う言葉を使うことになります。
西村 橋本さんはホームページのなかで「官僚が指導する現在の中央集権の体制を地域自立型の国家構造に変えることで、地方はこの国の伝統と文化が息づく個性のある地域造りを担い、国は平和主義と各種の国際貢献を通じて、地球時代のリーダーとしての役割を担うために国の形を変えていかなくてはなりません。」と言われています。
橋本さんが国政の場に立つとすればまずなにから始め、実行されますか?
橋本 今のことに関して言えば、国の権限と財源を全部地方へ移すことです。ただこれは何月何日から突然やることはできません。やはり3年なり5年なりが道のりの道程表をつくって、それに、もとづいてやっていくことです。
たとえば国の官庁の出先がそれぞれあります。四国には局があります。こういうものを1つにまとめ地域の役所に変えていく。そういう風な段取りであるとか。
いろんな手法があります。国民にお示しをして、何年後かには国の権限も財源も地方へ移して行きます。地方が税金を使っていく。それにより税金を納めた者が、税金の使い道を決めていく。将来は地域の人たちが決めていく。そういう国の構造にしていく。そうなろうと思います。
西村 現在の国会は自民党と民主党が多数を占めています。その2大政党の政策は橋本さんの「国から地方への権限の大幅移譲の政策」への反応はいかがでしょうか?
賛同していますか、それとも否定的なのでしょうか?
橋本 自民党、民主党の話と、さきほどの「国から地方への権限の移譲への賛同の話とどうつながるのでしょうか?
西村 自民党のなかにも、あるいは民主党のなかにも国の権限を地方に移すことに賛同されている議員もおられると思います。あるいは連邦制国家のような、アメリカのような国と地方の役割を明確にわけて言う考え方に賛同される方は、自民党側にも民主党側にもおられると思いますが・・。
橋本 自民党の中にも、民主党のなかにもおります。自民党は今与党です。政府側として進めている道州制の考えは、さきほど言いましたように地域が自立した連邦制的なものを想定していません。単なる都道府県合併型を想定しているにすぎません。
言うことから考えれば自民党のなかではわたしの言うような道州制の考えは少数であると思います。民主党の中にはむしろ自民党よりは私に近い考え方の人が多いように思われます。
明確に全体がそうかといえばそうなっていません。それが前回言いました自民党も民主党も党の中にいろんな大きなねじれを抱えている。ねじれを抱えたままこれだけきびしい状況下でスピードのある政策決定ができるか。判断ができるかというか。
今それぞれの政党がかかえている大きな問題点があると思います。
西村 天皇の位置づけについてお聞きします。現在の皇室は政治的な発言は控えられていますし、また皇室を政治的に利用することがあってはならないと思います。
しかし天皇皇后両陛下や皇太子ご夫妻が海外訪問をされる場合は、相手国に政治的な意味合いをもったことは確かです。
皇室のありかたはいまのままで良いと思われますか?それとも別の意味を持たせるべきであると思われるのでしょうか?
橋本 まず「結果として」と言われましたが、結果ではなく政府の狙いとしてそういう利用のしかたをしています。
今の天皇陛下が皇太子時代に、アメリカを2度訪問されています。それぞれにいろんな政治的な問題があったとき行かれています。安保の後。日米繊維の問題があったとき。こういうときに行かれています。
私も繊維交渉の後の訪米の時にはNHKの記者として同行しました。アメリカ駐在の日本の大使が、こういう時期に皇太子ご夫妻をお迎えをすることはたいへん日米関係のためにはありがたいことです。言うようなことを明確に言っておられます。
ですので」政治的に「結果として」ではなくて、政府としては象徴天皇制は両国間の対立を和らげる為に使わせていただいたことが現実にはあります。
私は日本という国の強みであると思います。他のやりかたでそういうことが他の国にできるのか。できませんので。わたしはそれを口に出すということは別にして行き過ぎた形でなければ、そういう存在として天皇制は日本の1つの形として続けていくことは決しておかしなことではないと思います。
最後に他のありかたといわれていますが、どういうことなのでしょうか?
西村 例えば天皇の権限をもっと強くする。戦前のような存在に戻そうということですが・・
橋本 そんな人は多数いるとは思えません。
西村 また天皇制を廃止して共和制にすると言う人も少数派でしょうし。
個人的な見解ですが、皇太子ご夫妻が外交をされたら、今の政府がやるよりもっと円滑にうまく行きそうなきがするのですが・・。それはなかなかできることではないのでしょう?
橋本 外交と言う意味をどうとらえるかです。さきほど申し上げた時に日米安保の時にハガチーと言う人が羽田空港まで来て「ハガチー帰れ!」というデモ隊に追い返されたと言うことがありました。
そのすぐ後に皇太子ご夫妻が訪米をしています。外交的な大きな衝突があったときにうまく和らげていく。そういう意味での外交的な活動をしていただくことは私は意味があると思います。
本来の外交と言うのはいろんな問題を柔らかくうまくやっていくというよりも、さきほどの国の役割と地方の役割を分けると言う国家構造にするということを言いましたときに、食糧危機の問題や、地球環境の問題や原油高、エネルギーの問題や様々なことを上げました。
そういう厳しい社会現実の中で日本という国の利益をどう訴えていくか。言うことが本来の外交の役割です。日本の外務省は全くそういうことのできない役所なんです。
英語がしゃべれ、外国語がしゃべれてお付き合いをというふうなことだけでやってきた役所です。本当の意味の国家戦略をつくって戦って行く形になっていません。
わたしはこれからは外交と言うのはその国の役人が地方のことに細かく口を出すのではなくて、外交交渉と言うのを力を注いでいかないといけないと思います。
そういう場合は皇室の役割と全くそれは違うものだ。
西村 石原慎太郎東京都知事が東京五輪誘致に際して皇室のお出ましをお願いしたいと言いましたら、宮内庁がそれはできません。と言いましたら石原さんが逆切れされていました。あの問題はどう思われますか?
橋本 オリンピック誘致のためにと言えば、宮内庁としてそれはのめないとなります。表立ってそういえばです。さきほど申し上げた皇太子ご夫妻を日米の繊維交渉のトラブルを和らげる為に利用したいと言えば宮内庁は「NO!」と言います。
あうんの呼吸と言うものを考えないと政治家もいけないと思います。
西村 「格差社会」の是正に対しては、どのような政策が有効であると思われますか?
橋本さんは構造改革を推進するというお立場のように見えます。
労働市場の規制緩和しすぎた結果、経営者側の都合の良い労働条件の改悪がまかりとうり、派遣やパート、臨時雇用が急造し、結婚も子供もつくれない、子供の進学もままならない格差社会ができました。このあたりどのように考えられますか?
橋本 経営者側に都合の良いということを言われましたが、一方的な見方であると思います。例えば、トヨタやキャノンと言う企業は世界で競争しています。
全くコストを考えなくてものづくりをしていけば、それらの日本を代表する企業が全部海外へ出て行ってしまいます。
そうなれば日本のなかの雇用ももっと少なくなるかもしれません。良い悪いは別にしてグローバル化が進む中で日本の産業はどうあるべきか。どう考えていくか。一方的に経営者のためにと決め付けてしまうのは、わたしは日本経済のためにはならないと思います。また雇用ということを考えた場合には危険な考え方です。
しかし経済のグローバル化というものが、すべての格差の背景にあることは間違いありません。ですからそれに対してどういうルールをこしらえるのか。行き過ぎた資本主義にどうやって歯止めをかけるのか。いうことは国内でもルール化しないといけませんし、サミットなどの時に地球温暖化だけの問題ではなく、こういう行き過ぎた資本主義にどうやって歯止めをかけていくかと。そうしたことを各国首脳が議論する時期に来たのではないかと思います。
そういうことを国家戦略として議論していくうえにも中央主権と言うしくみはやめ、地方のことは地域独立、地域自立でやっていく。国は今まさに格差の背景にあるグローバル化へ対応していくのか。このことを戦略としてまとめて先進8カ国と話をし、そして世界と議論していく。そういう日本国にならない限り、グローバル化のなかの格差の問題には小手先では対応できないと思います。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
西村 今月のゲストは前高知県知事の橋本大二郎さんです。橋本さんは4期16年勤められた高知県知事を昨年12月6日に退任されました。そして今年4月2日に国政へ挑戦されると表明されました。
知事時代と同様に政党関係の支持を獲得せず無所属で挑戦されます。
何度も聞かれていると思います。知事になられるときには「政治家は高知県知事が最後です。」と言われていたことを記憶しています。
今またなぜ国政への挑戦なのでしょうか?
関連ブログ記事 橋本大二郎高知県知事今日で退陣 県庁前でお別れ会
橋本 16年の間の変化ですね。16年前、正確には17年前です。当時の国政は完全な年功序列でした。(議員)を十年、20年積み重ねてようやくなんとか委員会の委員長とか、大臣になるとか。そういうことですから、あの当時44歳で高知へ来たのですが、44歳で(議員を)始めれば、もう60歳過ぎて、70歳になって大臣を1回やると。
そんなことであれば、地方の政治に身を投じるほうが、遥かに自分の力を試せるのではないか。また世の中のために尽くせるのではないか。いうことを思いました。
けれども16年の間に細川政権が出来たり、政治改革他様々な変化のなかで、国政も大きく実力主義に変わりました。16年知事をやるのかで、いかに知事という立場で頑張ってもどうしても突き破れない国の壁がある。国の壁を破って、この国の形を変えない限りこれからも地方はたぶん立ち至らなくなるだろう。
ということをもって、ここは私自身もう1度国政の場で力を尽くせればと思いました。
西村 国政へ挑戦する動機として橋本さんは、実兄の橋本龍太郎さんのご逝去があり、「兄がなにか語りかけるようでした。兄の忘れ物をとりに行きます。」と言われていたように思います。
確かに橋本家はお父さんも政治家、お兄さんも政治家。橋本さんも高知県知事を歴任され政治家一家です。個人的な動機を語られています。
橋本大二郎さんにとって「職業としての政治家」とはどうあるべきなのでしょうか?
橋本 それはちょっと意味がよくわかりません。どういう意味でしょうか?
西村 よく言われるように政治家の子弟が2代目、3代目の人が政治家を相続します。家業のように。そういう意味で安倍さんも小泉さんも政治家になっています。
橋本 今問われている「職業としての政治家」と言う意味は「家業として代々続いていく政治家はどうなのか?」という意味なのですか?
西村 どうしても(地盤・看板。カバンのある政治家一族)に政治家はなり勝ちですが、そうではない政治家はありえるのか?橋本さんはどうなのでしょう。
橋本さんは政治家の一族のなかでお育ちですが、高知県に「誘致」されて高知へ来たいきさつは「あったとしても」・・
橋本 それは「あったとしも」は大きな違いですね。それは違いますね。
西村 今また国政に挑戦されるということはどういう意味なのか?
橋本 それはさきほど言ったことですね。16年17年の間の政治の内容が大きく変わったからです。16年の経過の中で自分が知事と言う仕事に大きな限界を感じた。
職業としてうんぬんというのとは全然関係ありません。職業としてという意味が全然わからない。ということです。親から子に継ぐという意味で言えば、それは同じ選挙区で親から子に政治家が継承していくというのは私はおかしいと思います。
そういうことはやめていくべきですし、わたしはそうではありませんでした。
西村 江田けんじ衆議院議員が橋本さんの「同士」と言われている人なのでしょうか?
橋本 言われているのではなくて同士です。
橋本 元官僚の人で、「官僚国家日本を変える元官僚の会」(「脱藩官僚の会」)を旗揚げ!とホームページなどには書かれています。
江田けんじさんを含め現職の国会議員やこれから国政へ挑戦される人達が何人か賛同者がおられるのでしょうか?
橋本 現職の国会議員で一緒にやっていこうと意思統一というか、気持ちを1つにしているのは江田けんじさん1人です。
西村 橋本さんが知事時代の選挙のときに長野県知事として応援に来てくれた田中康夫さんであるとか、高知県選出の参議院議員の広田一さんとの関係はどうなのでしょうか?
橋本 広田一さんとは仲良くいろんな話をしています。広田さんは民主党と統一会派を組んでいます。わたしが挑戦しようとする選挙区には民主党の候補者もおられますから、直接私の応援はなかなかできないという立場であると思います。
西村 新党日本代表の田中康夫さんとは連動されないのでしょうか?
橋本 田中康夫さんとはとくに連携はありません。
西村 橋本大二郎さんは「自民党は消費期限切れだと・・
橋本 「賞味期限切れ」です。
西村 民主党「は自治労などの既得権益者が主体の党」と2大政党を厳しく批判されています。
橋本 それだけではないです。
西村 最近橋本さんは各メディア(週刊誌など)にて「政界再編の接着剤になる」「自民党も民主党も必ず再編成される。その場合の変革の渦中にいるだろう。」と発言されています。
無所属のスタンスはそういう観点から来る独自の政治観なのでしょうか?どうしてそう思われているのでしょうか?
橋本 自由民主党と民主党の問題点。それから日本の中央集権というものの体制の仕組みをささえている1つが、自民党で言えば「族議員」と言われるように、国からの補助金をそれぞれの地方に分配をする係りをしてる国会議員。
こういう体質を変えない限り、日本の国家構造というのは、変わらないと思います。
それから民主党においてはさきほど言いました自治労に代表される古いタイプの労働組合運動からなかなか抜けきれない。そういう人たちを抱えてなかなか「行政改革」などできるわけがありません。
あわせてそれぞれの政党のなかに経済的な問題について考え方であるとか、外交防衛についてのありかたであるとか。外交防衛で言えばよく右・左と言われますけれども、全く違った考え方の人が、たまたま小選挙区制というなかで、こちらの党からでれなから、こちらの党から立候補であるとか。
ねじれた形が自民党、民主党双方の党にあります。ねじれた形を抱えながら、政治の中で本当に大きな決断ができるのか。しかもスピーディな対応ができるのか。わたしは自民党も民主党も変わっていかざるをえない。
変わっていく形は具体的には政界再編という形で行われるだろう。
西村 橋本さんが尊敬される政治家は誰ですか?またご自身はどのような政治家になりたいと思われますか?
橋本 わたしは特に尊敬する政治家はいません。また政治家に限らず昔から「尊敬する人は誰ですか?」と言われても、あげる人はいませんでした。
それから「こういう人がこういう話をしていた。」とか「こういう格言がある。」ということを自分の言葉として使うのはあまり好きではありません。自分の経験から物事を語っていきたいと思っています。
ですから政治家としても人の言葉を借りて演説をする。話をしたりするのではなく、自分の経験と自分の考え方を国民の皆さんに語っていけるという政治家でありたいと思います。もっと日常の国民のいろいろ感じていることを肌で感じ取れるような政治家でありたいと思っています。
西村「大二郎の旗」というのは仮の名称なのでしょうか?
これから誕生する政治集団の名前なのでしょうか?
橋本 名前ではありません。
西村 それから誕生する政治集団の1番の売り物とはなんでしょうか?
橋本 1番ということはありません。政党の考え方と言うのは、外交防衛問題から、経済問題から、社会福祉や教育問題から、国と地方との関係からそういうものを総体的にきちんと国民示すことが、政党の綱領であり、お約束である訳です。
これが「売り物だ」というものを売るものではありませんので、それは全く考え方の違いです。
西村 橋本さんから観察されて国会はどうあるべきなのでしょうか?
小選挙区制度や比例代表制度。参議院など改革の必要性はあるのでしょうか?
橋本 小選挙区制度そのものを変えるべきだ。とか深く考えたことはありません。比例代表とも含めて言えば、今の経済状況とか政治状況から言えば、国会議員の数は現状では多すぎると思います。
それはもっともっと国会議員が前向きな仕事をしているのであれば、それは何人いてもかまわないと思います。今のような仕事の内容で、あれだけの数の国会議員が必要なおかと言うと私はそうではないと思います。
国民のみなさんもそうではないと考えられていると思います。ですから、国会議員の数を減らしていく。と大二郎の旗のなかでは書いています。
西村 政治資金についてお聞きします。政党の候補者でないので、政党交付金もなくご自身で政治資金を集めないと活動できません。年間1万円会費でチーム大二郎のサポーターになれるようですが、会員は順調に集っているのでしょうか?
橋本 会員はまだそんなに順調に集ってはいる段階ではありません。けれども「チーム大二郎」というものをもう少し組織的に形で広げていく。そのための準備会を開き、次のステップに、向って進んで行きたい。そう思っています。
西村 平沼赳夫さんと週刊ポスト誌で対談されていました。平沼さんと「共闘」される可能性もあるのでしょうか?
橋本 全くありません。外交・防衛の考え方が違うからです。
西村 市民県民には、橋本さんに対する期待度があると思います。反感も負けないくらいに強いとは思います。
市民県民は橋本さんが「日本をこのように改革する!」と言い出すのを待っていると思います。高知県知事の経験から何を県民に国民に主張されますか?
橋本 1つか「国の形を大きく変える。」ということです。
今の日本の国は中央集権で、中央の官僚が地域から集った税金を使って、補助金をつくり、それを国会議員が各地方に運んでまた自分の支持につなげると。そういう構造が出来上がっています。
しかしこれは国全体が右肩上がりで、税収が増えているときはそうした財源の配分もあったと思います。今はそういう時代ではありません。
そういうなかで中央集権の地方の動きが出来ないようにしばったまま、財政だけが細っていく。高知だけではなく地方全体が生きてはいけない。そうなると思います。
世界に目を広げれば、良いも悪いも含めて「グローバル化」は避けられません。こうした中で国はいろんな面の市場を開いていかなければなりません。
そうすると国の役人が地方の細かいことまで口を出す。地方が自分の地域の将来も決められない。こんな国の形で市場が外に開いていく。地方は身動きできないまま外の波に飲み込まれることになります。
こういうしくみを徹底的に変えていかないといけない。地域の将来を自分達で決めていく。税金を納めた場所で、税金の使い道を決めていく。そういう国家構造に変えていく。
国は食料の危機であるとか、地球温暖化の問題であるとか、様々な大きな課題がある。そういうことに国家戦略でもって他の諸外国と交渉し取り組んでいく。そういう風に国の役割、地方の役割をきちんと分けていく。
そうすることこそが高知県も含め地方がこの厳しい時代に生き抜いていくわたしは唯一の道であると思います。
西村 似たようなお話は、少し前に「せんたく」というグループも言われていたようですが?
橋本 全然似ていませんが・・。どう似ているのか教えてください。
西村 国の形を変えるとか。地方からの発信だとか言われていますが。
橋本 地方からの発信なんて今私は言っていません。地方は地方の将来を自分達で決めていく。自分達の税金を納めたところで、税金の使い方を決める。そういう形になれば、知事を選ぶにしろ、市長を選ぶにしろもっと慎重に考えないといけないし、知事なり市長なりが地域の将来を、地域の住民に提示をして、地域運営。将来を決めていけるように。
西村 国のありかたを根本的に変えるということですか?
橋本 根本的に変えていくことです。これは地方のためだけではなく国のためでもあります。国もこれだけ世界情勢にさらされる。国の優秀な役人が地方の細かいことに国だしをする。社会福祉法人が建てた施設の廊下の幅であるとか。そこまで国の役人が口をはさむ。
そんなことに時間と労力を費やしている場合ではない。そういう力を国家戦略として食糧危機の問題であるとか、原油高、エネルギー問題だとか、地球環境問題であるとか、そういう日本という国が生きていけるための戦いに向けていく。
そういう風に国と地方の役割と力というものを分けていく。そういう国家構造に私はしないといけないと思う。そうしないと日本は本当に沈没します。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
8月に収録しました。橋本大二郎さんは高知県知事時代にも出演されたことがありました。番組収録は手馴れたものです。今回は国政へ挑戦する立場であり以前とは異なっています。
9月1日に福田康夫首相が突然辞任されました。にわかに解散・総選挙となるようです。10月に放送予定していましたが、10月が選挙期間にひっかかる恐れがでましたので、放送予定もサイトに掲載する予定も前倒ししました。
内容は以下のとうりです。
高知市の1市民のけんちゃんが徹底的に質問しています。緊迫のやりとりを読んでみてください。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
9月7日(日曜)は高知青年会議所の「まちづくりファーラム」の講演会とシンポジウムに参加してきました。アウエーの洗礼でした。普段は年始周りの挨拶と結婚式ぐらいしか着用しないスーツを着て行きましたし。それだから調子のでないこと。
第1部は中奥良則氏(まちづくり塾)の講演が1時間ありました。全国各地の事例を参考に高知の可能性についての提案がありました。印象に残った言葉を拾ってみました。
「県のブランド戦略がしっかりしている県は実績をあげています。島根県や鳥取県はしっかり文化の発信をしています。」
「愛媛県今治市は、松江ー尾道ー今治ー松山ー高知の文学の道の構想を進行中。同志社大学が関与して各市にゆかりの文学者に光を当て、まちづくりにしている。」
「明治大学や早稲田大学も地域社会との関わりを強めようとしています。大学の活用は必要です。とのことでした。
その講演を受けて第2部は「まちづくりシンポジウム」です。「場違いなパネラー」として参加していました。県知事と高知市長と高知青年会議所理事長らのパネラーと同席させていただきました。
市井の市民代表として発言させていただきました。蒸し暑い気候と、こんな天気では絶対に着用しないスーツを着て会場へいきました。壇上へ上がりますとやはりアウエーの雰囲気。でも顔見知りの人も何人かいるので自分を励ましながら発言しました。
知事も市長もそれなりに自分の言葉で話していました。市井の市民のけんちゃんも発言自体は破滅はしなかったようです。(壇上にいたために知事と市長の話しのノートはとれませんし、それなりに緊張してますから・・)
自分としては「食」であれば、オーガニックにこだわりをもつこと。高知県物産公社をこしらえること。「食」以外の高知の自立であれば、自然エネルギーの供給(太陽光、水力、風力、木質バイオマス)で発電する県になること。
「よさこい」をプロ化してチームを作り、全国へ教えに行く。各地で高知物産市を開催。そこでよさこいも踊るとか。バスをこしらえて行けば良いと話ししました。
司会進行とコーディネーターの中奥氏が、知事や市長や私と理事長が話す内容を同じ内容で解説したり、事例紹介していたので、パネラー同士の討議にはならずに終わりました。
せっかくのシンポジウムですが告知が不十分なせいか参加者が少なかったのが残念でありました。内容はあったと思います。
シンポが終わった後に知事や市長とJCのメンバーとで反省会をしました。結論は「高知の悪いことをあげてもしかたがない。えいところをなんとか伸ばそう。そのアイデアを出し、実行可能なことはやろう。」ということで皆さん意見が一致しました。
知事はスモーカーでした。結構ロビーで吸っていましたね。意外でした。スモーカーには辛い世の中になりつつありますし。知事公用車は禁煙なんでしょうか。今度会う機会があれば聞いてみましょう。
知事、市長にも番組への出演依頼はしました。「前向きに考えましょう」との回答は得られました。さてどうなることでしょうか?
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
西村 今月の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」のゲストは衆議院議員の福井照さんです。福井さんは元建設省に勤務され都市問題に大変詳しい人です。取り付きにくいと市民には敷居の高い都市計画問題や、まちづくり問題をわかりやすくお話いただけると思います。
今日のテーマは「心の自由民権ー人生主義とは?」でお話をお聞きします。
福井さんはホームページのなかで「好きな時に子育てができ」「好きな時に親の介護ができる」「またなによりも大切な事、即ち自分の心のケアも好きな時にできる」、自分の人生を設計どおり生きることができる、そんな人生を支援することを本意とした社会を創らなければならないと思っています。」
そのためには
「今必要なのは枝葉のような個別の政策ではなく、より上位概念であり、個別の政策をコントロールする領域、即ち人間のあり方を根本から見つめ直すベーシックポリシー、或いはスーパーポリシーといってもいい領域であると考えます。
今の日本からこの分野がすっかり抜け落ちてしまっているからこそ、政治不信はむろんのこと現代人の根源的な不安、不満に立ち向かうことができないでいるのです。」と言われています。哲学のようですが、今一度解説をお願いします。
福井 今言われた途中で、皆さんは「気を失った」と思うんですけれども。
たとえば後期高齢者医療制度に対する国民のブーイングというのも、1つの現われなんですね。というのはやりたいことは、できるだけ長生きしていただきたい。1分でも1秒でもわくわく、どきどきして長生きしてもらいたい。そう生きてくださいね。と。
そのために必要な医療費は確保したいので、こういう仕組み(後期高齢者医療制度)にしますと。今まで市町村ごとにアンバランスだったしたので、県全体で1つにしますと。そういうことなんです。それだけなんですね。
後期高齢者とか。いきなり年金から天引きするとか。あまりにデリカシーがない。ということなんです。僕に言わせばデリカシーがないとか言う問題ではないんです。
つまり目的なんですね。僕も行政にいましたので、目的意識がはっきりしていなければ、すべて誤解を生んだり、うまくコミュニケーションができなかったりします。そういうことなんですよ。
今まで戦後経済を立て直す。地域を立て直す。それから貿易をもっと増やす。それが行政目的でした。もうそれは終わりました。もちろん外交や防衛も必要です。今からは「人間1人1人が1番大事。」「1人の人生がいかに守られているか」がお互いに分かり合うこと。「1人1人の人生が1番大事であると言う社会を作り上げること。」を目的にして政治も行政も魂の底から心を合わせていかないとならない。
というのを自由民権運動にひっかけて「心の自由民権」と最初から申し上げていました。自由民権の国高知ではそう言っているけれども、東京ではコミュニケーションできないので、「今までは経済中心の資本主義だったけれども、人間を大事にする。1人1人を大事にすると言う意味で、資本主義から人生主義へ。人生が1番大事。目的である。そんな世の中にしましょう。」と言っています。
いろんな事件も起こるでしょう。くっついたり離れたりするでしょう。殆ど苦しみの人生ですからね。でもそのたびに暖かく、支援できるような、人生の都合に合わせて行政が動いていく。そういう仕組みに変えなければいけないということです。
例えば市役所の部署(課)の名前も「20代課」「30代課」とか。そういう風でいいんです。今は縦割りも厚生労働省とか経済産業省とかの霞ヶ関の様式にあわせて県庁も市役所も組織になっています。
そんなんじゃなくて市役所ぐらいは私たちの人生にあわせた、段階に応じた課(部署)であったらいい。ホテルによくありますなんでも相談できます人が、そこにいます。そういう組織。行政の考え方。政治の世界もそういう風に変える。根本的に変えなければ今は立ち行かないのではないか。そういう思いの投げかけなんですね。
西村 同じような質問です。われわれ市民の側からしますと「政治家はどうしてあんな大きな家に住んでいるのだろう?」「政治家はどうして自分のことしか考えないのか?」とか「どうして政治家は金儲けできるのか?」と批判をします。
しかし政治家主催の国政報告会などをたまに聞きに行くこともあります。
国政の報告などでは「これこれの道路をこしらえました。どこどこの地域に国の交付金を取り付けました。」という「成果を誇示する」説明があるのが普通のようです。そういう説明を聞かないと市民は納得しないようですし。
有権者としては「地域に公共事業をたくさんもってきてくれ」と言うし、市民としては「政治家は自分のことしか考えないのではないか」とも言います。市民であり油研社の側が矛盾しています。
お立場上困っておられると思いますがそのあたりの聴衆の反応とか。最近の政治の動き。あるいは国政の動きなど。かなり市民というか有権者の意識は変わってきたのでしょうか?
福井 9年前に第1声を上げたときはすごい熱い思いがありました。お互いに、僕自身がすべて考えたわけではなくて、皆さんと一緒に話したことをだんだん昇華して言って水蒸気になったんが「心の自由民権」というものです。
そういう意味から言いますと高知県民はひじょうに進んでいるんですよ。ただそれは「潜在意識」なんですね。それをはっきり意識として顕在化して、表面に出てきて、だからこういう考えだ。と意識にのぼるというところまでは高知県民もそうだし、ましては日本国民全体はいっていないです。
私も行政にいましたから、けっして政治家は尊敬しておりませんし。尊敬していない政治家にどうしてなったの?と家族に言われたりして。ですから政治家になったつもりもなるつもりもないですけれども。志はそういう日本全体を変えるとか。日本が世界に恥ずかしくない国にするとか。
文化をつくる。ということをずっと都市計画をしてきましたので。文化をつくる。歴史をつくる。そういうことを生涯の仕事にしようと。やっていました。
政治でもヨーロッパの政治家はほんの一言で、文化的知性と教養を感じさせることがあります。バチと言ったりします。そういう発言をする政治家は未だかつて日本にはいませんでした。
あるいはパリの大改造をしたのは政治家の発想、デザインでやったのだけれどもそういう政治家は日本にはいません。
戦前に後藤新平という人がいました。歴史的にはただ1人だけです。そういう意味で知性と教養。文化をつくるという様な政治家が1人でも2人でも出てきたら最高ですし。
私の訴える「心の自由民権」というのは人の幸せとはなにかだけを毎日24時間考える政治家がもし100人いたら、抜本的に日本は変わります。
幸せとは何かを考えず。なにも考えないでずっとこの100年間来ました。だから根本的な目的意識を持つことが未だにない。と感じています。
西村 福井さんは「私の政治信条」のなかで「ユーバーポリテック」=超政治、次世代のための政治。哲学・思想・歴史観・宗教性・時代認識・長期展望を備えた政治と言われています。
それはグローバルな観点から、ローカルのことを考えることなのでしょうか?
福井さんとは考え方が違うかもしれません。
昔石橋湛山という政治家がいましたが、宗教家であり、エコノミストであり、「小日本主義」という大局観がありました。植民地主義を放棄しアジアの国々と共存して反映する展望をきちんと持っていました。
自由民権運動の先駆者を先祖に持つ高知県民は「ないものねだり」をせず高貴な目的を持って活動をしようよということなのでしょうか?
高知県民は潜在意識で高貴な目的があるとのことでしたが、表に出てくる兆候は出てきたと思われますか?
福井 十分出てきていると思います。
こんなことを言いますといつも怒られています。政治の世界には「階層」があります。
まず「選挙のレベル」があります。次に「政局のレベル」があります。この前の国会のような。それから「政策のレベル」があります。その次に「政治のレベル」があって、その次に「「ユーバーポリテックというレベル」-大政治という歴史認識があります。
私たちが付き合っている政治家の人たちは、殆ど選挙のことしか考えていない人たちとしか付き合っていない。ということですね。
今変わりつつあるのは「環境」です。2人の話は共通しています。地球環境で自分を見つめ直すこと。日本人が世界に誇れることは「自然との一体感」です。
今分子生物学で60兆個の人間の細胞があります。100兆個の微生物がいて、長くても半年。早ければ3ヶ月くらいで酸素も炭素も水素も私たちの体の中で入れ替わります。
だから食べるのです。食べたものはすべてわたしたちの血になり、肉になり脳細胞になり、すべての細胞になります。それで入れ替わったものが便や尿や汗で排泄されます。半年前の自分と今の自分とは分子レベルでは全然違います。なにも残っていない。すべて風になっている。
これが自然との一体感を日本人は持っている。だから地球を大事にする。家族を大事にする。地域を大事にするのです。そういう発想は欧米人にはないのです。
西村 2000年以降日本の自殺者は3万人を越えています。少子高齢化社会で人口減少になっている日本で自殺者の数が減らないのはなぜなのでしょうか?
小泉内閣の構造改革により「格差社会」がより大きくなったからなのではないのでしょうか?3万人の自殺者の数は異常であると思います。
福井 異常事態です。3万人の下にピラミッドがあります。うつ病の方が30万人。うつ病予備軍が300万人。日々苦しんでいる人が3000万人。そういう大きな山があり、水面上に出てきているのが3万人ということです。
ですから何千万人という人々の心が病んでいるのですね。と言うのは最初の話しに、戻りますが、「思いやり」とか「尊厳」とか、日本人が農耕民族としてずっとしてきたここと。助け合って生きてきている。助け合いいつくしみあい共同して働いて、同じ分け前で暮らしていた。
そういう農耕民族としての暮らし方が、小泉ー竹中路線の「新自由主義」のリベラリズムでぶち壊されました。それで格差が出てきました。それで心が病んでいる。というのはまさに至言だと思います。そのとうりだと思います。
ですから自殺者対策とか、うつ病対策とかなんかではなくって、今の私たちの暮らし方の根本原理というものをもう一回見つめなおして、日本人の良さは、「一緒に助け合って生きていくんだ。」と。同じ分け前で生きていくんだと。
それは社会主義だと言われようが、そうなのです。
西村 それは以前福井さんが言われていた「ソーシャル・キャピタル」という考え方でしょうか?いわゆる共同体意識でしょうか?
福井 共同体ですね。
西村 僕らも中途半端にしか習いませんでしたが「ゲマインシャフトとかゲゼルシャフト」とか。ゲマインシャフトのようなものでしょうか。
福井 中国人の諺に「日本人に気をつけろ。社会主義者になってしまうぞ。」というのがあります。それぐらい世界では日本は「社会主義国」だったと。
つまりいかに平等に「分け前」をもらっていたか。かつての日本。つい20年前、10年前までの日本です。
それはつい30年前、40年前までは福井さんの田んぼもご近所全部が出て、田植をし、稲刈りをした。同じ分け前で、同じ所得で。助け合って生きてきました。というのが日本民族の原点です。その生き方を忘れてはいけません。
西村 ユニバーサルな社会の実現は可能なのでしょうか?そのためには市民1人1人が差別も偏見ももたないユニバーサルな考え方にならないと実現しないのではないのでしょうか?
そのあたりはどのようにお考えになるのでしょうか?
福井 ユニバーサル・デザインの根本はそれこそ、普段の普通の人がいかにラクチンで、気持ちいいなというデザインができるかということです。
道路にしてもLRTにしてもそういうことだと思います。
ですから原点で、いかなる人も同じように、同じような気持ちで、造ったりできるかというふうなことです。
すべてのひとが共同して、ソーシャル・キャピタルですね。すべてのひとが参加して同じ喜びを味わえるような。そんな場をどうやってつくれるのか。それがユニバーサル・デザインです。
西村 先日も福井さんは高知福祉機器展も見学行かれたようですね。人間の尊厳を保つための福祉機器とか。機器をいろいろ体験されたうようですが・・。
そのあたりの感想などはいかがでしょうか?
福井 個人的にはいろいろ失敗したことがありました。車椅子をエスカレーターに乗せる機械をつくろうと思ったりしていました。本当に難しいんですよ。
ものすごく微細な技術が必要で、遅々として完璧にならないのです。実際開発に携われておられる技術の方々は頑張っても誰が乗ってもスムーズに行くなと。
恐怖感もないような。是非設計をしてもらいたいとおもいます。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
西村 今月の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」のゲストは衆議院議員の福井照さんです。福井さんは元建設省に勤務され都市問題に大変詳しい人です。取り付きにくいと市民には敷居の高い都市計画問題や、まちづくり問題をわかりやすくお話いただけると思います。
今日のテーマは「国の施策の最大活用法とは?」でお話をお聞きしたいと思います。
福井さんは国の施策を活用して地域の振興を図る。それには知恵がいるのではないかと言われてます。低迷する高知県の地域経済。
とりあえず活用できそうな国の施策はいくつかあるのでしょうか?
福井 今高知でできるのは、「輸出」と「観光」であると思います。
「輸出」は高知の「農林水産物」の輸出です。政権は放り出しましたが安倍総理の最初の施政方針演説のなかに、今3000億円の輸出を1兆円にするというものです。
りんごや小夏や文旦を中国やインドや台湾に輸出しようと。順調に輸出額は増えています。1兆円を超えそうな勢いです。毎年15%、20%を超える勢いで増えています。日本で買うよりも遥かに高い値段でりんごやお米が北京の百貨店で売れています。
量さえ作って、うまくマーケティングしルートさえつくれ上海、北京、高雄とか、台湾でも私たちがいつも食べている小夏や、文旦やトマトがどんどん売れると思います。
今は量が足らないのですね。ルートがなくて量が足りない。せっかくの機会を失われている。農林水産物の輸出ですね。
それと第1回目「あるべき高知の観光とは」でお話しました観光ですね。これは日本人の1億2千700万人のマーケットの奪いあいではなく、どんどん人口が増えているインド,台湾、韓国。14億人のうち4億人はもう先進国と同じ所得だといわれている中国の方にどんどん高知へ来て頂く。どんどんお金を使っていただく。
言うことだと思います。どんどん豊になりますからヨット遊びとか、海で遊ぶことなどはアジアの方がしてくれると思います。そのための黒潮ですね。そのために宿毛のさんご礁。そのための鏡川。日本銘仙100選にもえらばれた鏡川。30万都市の街の真ん中を流れている川が日本名水に選ばれています。坂本龍馬が泳いだという。子供が泳いでいる川。そんなところはありません。
観光資源には事欠かないので観光客の誘致。それは別府のように留学生を呼んで。例えば高知観光大学をこしらえて毎年留学生を2000人ぐらい来て頂いて、高知で遊んでいただいて。それで帰っていただいて、宣伝していただいて、どんどん親戚を連れて来て頂く。そういうことで飛躍的に観光客は伸びると思います。
「農林水産物の輸出「と「観光」です。これについて国が手を取り、足を取って指導してくれるのかと言いますとそうはなりません。やはり地方自治の原則ですね。実は都合に良いときだけ地方自治の原則なんだけれど。いちいちはしてはくれません。地元の人達が知恵を出さないといけないのです。
西村 もう一つお聞きしたいことがあります。最近完成しました高知駅周辺連続立体交差事業です。これなんかも国策の1つでしょう。
確か一度は鉄道高架事業は取りやめに成った経緯があり、もう一度がんばって復活されました。
また高知駅前に関連した事業で高知市はどのように都市改造すべきなのでしょうか?活用する方法はあるのでしょうか?
福井 鉄道を2階建てにして踏み切りを解除する。というのはツール(道具)であって、本来の目的は高知市の北側にあった土地を私たち市民に向けた土地に治すということでした。
鉄道操車場というのは鉄道マンのために必要でした。国鉄に働いている人に顔を向けていた。土地でした。今や高知市民に顔を向けた土地に大化けしているんです。どんどんマンションも建っていますし、新しいお家も建っているし、もちろん地震にも強いけれども下水道も公園も出来ている。お店もどんどん出来ている。
それが弥衛門のほうまでずっと続いてますます大化けします。ポイントは県がもっている土地。市がもっている土地。それから四国JRが持っている土地にちゃんとお客さんを呼べる建物。そして綺麗なもの。
今後500年、1000年してなるほどこれが高知の風土だと。まず建築物を立てるののならまず景観があって。景観形成は風景になって。が風景が500年、1000年すれば風土になる。それが私たちの志ですから。風土になるうような設計をいかに県庁なり、市役所なりが、JRができるか。そこがポイントですね。今のところは原っぱですが・・。
だから物凄くウォッチしないといけないのです。
西村 また意見が異なるかもしれません。最近の国は「迷惑施設」を地方自治体に押し付けることが多いようです。受け入れる場合は多額の交付金を出すが、反対すれば出さないという露骨で強引なやり方が目立つように思います。東洋町への高レベル放射性廃棄物問題や岩国市への米軍艦載機の移転問題など。
国の方針というのはこういうものなのでしょうか?それともこれは「異質」なものだったのでしょうか?
福井 まあ「札束でほっぺたを叩く」ようにそういう感じでしたね。あの時(東洋町の高レベル放射性廃棄物採取処分場文献調査)の場合は。
だけどもたとえば今水道の水は世界1なんですね。殆どそれはダムで食べていますけれども。ダムにより何百年も暮らしていた人達がふるさとを追い出された人達が新しく住み替えておられます。
何万人いらっしゃるるんでしょうか。北海道から九州まで。そういう協力いただいた感謝を忘れてはならないと思います。
先ほどの原子力は理論はあるんですね。地球環境だから原子力を増やさなければならないという立場もふつう世界中そうですけれども、ドイツなんかスウェーデンみたいにこれから原子力は使わないんだという国もあります。
原子力でどうこうというのはまた別の話しです。日米安保条約。これも別の話しです。いずれにしても被害を被っている地域の方の被害を大きさをいかに小さくするか。被害を受けていない殆どの国民が一緒に考えなければならない。と思うんです。ですから国のけんちゃんがご指摘のそういう思いやりを考えていますよ。後期高齢者もそうですけれども。一緒に考えてます。
同じ立場でやりましょうねと。ぬくもりとか。あったかさとか。そういう感じが役所に全くないんですね。それが必要なんです。それを魂から入れ替えた後の、補助金とか、交付金のありかたはどうなのか?同等なのか?それは行政改革が必要なところですね。
西村 別の観点からの質問です。先日NHKの番組でも放映されていました。約6万ある日本の橋のうち1割に当たる約6000橋が即維持管理作業をしないと危険であるとのレポートには驚きました。
現在日本の仕組みでは、道路や橋の新設には国の補助が半分あり、残り半分に関してもうち半分は地方債の発行が認められています。新設橋の建設は割合簡単ですね。地元負担も少なくてすみますし。
ところが維持管理の場合は100%地方自治体負担であり、財政力の弱い高知県などでは道路や橋の維持管理が十分にできない可能性があります。この状態で地震でもくればどうなるのか?先日の岩手・宮城内陸地震のような地震が来ればどうなるのか?
ひどい災害なら国が手助けはしていただけるのでしょうが、そうなるまではどうするのか。
維持管理を促進するような国の施策はあるのでしょうか?
福井 必要な歴史かもしれません。アメリカもそうでした。アメリカも同じ道をたどりました。バーと高速道路やインターステイト・ハイウエイをこしらえて、つくりきっやんでそんなもんいらんやないかと。
ガソリン税もなくして、道路への投資をずっとしなかったんです。ロサンゼルス五輪(1984年)あたりから、痛みが全米で目立ち始めました。何10年も道路整備をしなかった後に、メンテナンス・プログラムをこしらえてそれで今は道路をこしらえ維持管理をしています。それで日本も今その道をたどろうとしています。
マスコミは止められませんわ。高知ではお陰さまで「命の道」を守るということになりましたが、公共事業や道路事業にみなさんの協力をいただいています。
全国的にはマスコミを中心に「道路は悪である」という声が席巻しておりました。今は抵抗出来ないですね。
そんなには予算は減りませんけれども、日本もアメリカと同じ道をたどろうとしているのです。そのあたりを理解いただければと思います。
西村 海抜0メートル地域の私が居住する下知地域では電柱地中化工事(共同埋設菅工事)が国土交通省の直轄工事でされていました。
むしろこの地域は地盤が弱く、浸水する危険性が高い地域です。耐震性のある津波避難ビル機能のある公共建築物や、昭和40年代に建設された高潮堤防が劣化しています。こちらは高知県の管理だそうですが。
地域住民の危機意識が国の事業に反映されないように感じています。このあたりはどのようにすれば良いのでしょうか?どこにどういう風に訴えれば国と話がつながるのか?そのあたりはどうすれば良いのでしょうか?
福井 目的が今までは経済でしたからね。戦後から高度経済成長が終わっても、経済難ですよ。公共事業の目的は経済なんです。
その時代はとっくの昔に終わっている筈なんですが。終わらせないといけないんですが未だに続いています。ご指摘のように聞こえましたのですが、まさにそうなんです。
地震の時に私たちの命をいかに守るのか。公共事業のバランスを考えれば。公共事業の目的を考えれば、全然違った答えになる筈です。
例えば今は「港が余っている」と言われています。道路事業はそんなにでもないけれども、港湾事業は余っている。だけどいざというときに船で罹災者を助けないといけない。
経済ではなくて命を守る。そういうときには港の工事や整備は足りないのではないかと言うことが見えてきます。そういう意味で命を目的とする。そして防災を目的とする。地域のマネジメント。地域の経営を目的にすることです。
西村 塩野七生・著「ローマ人の物語」を読んだことがあります。全15巻の著作集の中に「すべての道はローマに通ず」という著作があります。ローマ帝国の公共事業のありかた。社会基盤整備(インフラ整備)のありかたについて述べられています。
ローマ帝国は本国の施設を属州の都市にもこしらえています。道路網、水道、橋,劇場、浴場、競技場、などです。
また維持管理もきちんとしていたようで500年ぐらいは施設は保全されていたようです。もちろんローマ帝国は古代国家で、今の日本は近代国家であり、社会体制は異なります。税制や社会制度の違いは当然あるでしょうが、参考になるのではないでしょうか?
福井 まさにそうです。皮肉を言いますと・・
インフラ。インフラ・ストラクチャーですね。公共工事でこしらえる施設ですね。道都とか、下水道とか。上水道の整備事業を今の社会でもインフラ整備と言いますね。
そのインフラという言葉がまさにローマ時代につくられました。
そのインフラというのは、例えば、インフラ・レッドであるとか、インフラ・ソニックとか言うのは高周波で耳に聞こえなかったり、目に見えなかったりするんです。
つまりインフラというのは、普段は目に見えないし、わからないものなのです。ここで隠喩として暗喩としてローマ時代から、あったということです。
これはとても深い話です。だから常に重要性をPRしていませんと国民に理解してもらえないのです。ローマが続いたのは地方自治ですね。それぞれの民族を殺さずに、支配はするけれども、属国にするけれども、今までどうり生活してください。
民族として仲良く暮らしてください。そのためにインフラストラクチャーがあったと。物凄く志が高かったんです。志がいかに大事であったか。常にわたしたちは言わないといけないと思います。
だけど僕たち日本人は「ソーシャル・キャピタル」というものを持っています。隣組とか。日本人の農耕民族としてのおつきあいです。一緒に農耕して作業して、田植し、稲刈りとか仲良く暮らしていました。そのあたりはローマ人はありませんでした。
僕たちの日本は持っています。それをソーシャル・キャピタルと言うのです。社会的な基盤。私たちは忘れてはならないと思います。「ローマ人の物語」を読むと常に思い出すところです。
西村 国の補助はだいたい50%で、後は地元自治体負担です。高知県の場合地方自治体が弱っているので補助すら受けられない状態になりつつあるのではないのでしょうか?
福井さんは「農業の輸出」「外国人観光客、特にアジア地区からの誘致」を言われていました。
地元を「元気にする」方策は国のメニューで「高知の特性を生かし使えそうだ」というものがありましたらご紹介いただけないでしょうか。
福井 人と意識ですから。教育そのものであると思います。地方の元気再生事業というので「環境と食」が高知は滅茶苦茶いいのである。JTBのアンケートでも高知で1番お気に入りのものは食べるものでした。と言っています。
小夏や文旦や野菜にしても、お酒にしても。およそ口にするものは高知では素晴らしい。もう一回見つめなおして、棚卸をして、どこがどうなのか。素晴らしいのかを私たち自身が、理解しないと。理解しないとアピールできません。
西村 高知は大きな川があり国直轄のダムもあります。森林の間伐をした折に発生する林地残材をチップ化し、木質ペレット化しますと「木質バイオマス地域循環システム」がダムで展開することが可能です。
熱源と電気も起こせ、エネルギーの地産地消と環境対策、排出権取引の対象となりダム上流域の人たちにとり仕事を生むしくみになりえます。ダムは迷惑施設から利便施設へ転換できます。
早明浦ダムや大渡ダム、中筋川ダムなどに可能性があると思いますがいかがでしょうか?(木質バイオマス地域循環システムについては別紙参考)
国の直轄のダムで木質バイオマス地域循環システムが稼動すれば山間部は元気になると思いますがいかがでしょうか?
ダムの上流域の人たちは水没したりして生活や暮らしの場が奪われてきました。国土交通省の直轄のダムで木質ペレットをこしらえるプラントがありますと、そのペレットをつかって発電したりできます。また地域の人、上流域の人も間伐材を持ち込んでそいれが現金収入になれば地域が元気になります。そうなるとダムが迷惑施設から、ありがたい施設になると思うのですがいかがでしょうか?
高知県は森林が多く大きなダムもあります。ダムにその視施設ができると山間部の人は元気になり間伐も進みます。その先鞭を国土交通省直轄のダムでしていただきたいのです。
福井さんのサイトで自然体験の学校なども組み合わせて出来る。と表現されていましたが・・。これは1つの政策になるのではないでしょうか?
福井 だれも注目していただけなかったのですが、福田ドクトリンでこの間出しました。「排出権取引やります」がありました。誰もマスコミは誉めてくれない。
これはごっついことなんです。どうしてかと言いますと、京都議定書の時に、当時の大木環境庁長官が「6%マイナス」を約束しました。
その時は凄いバトルがありました。経団連と秘密文書が交わされました。約束するけどええからと。経済界とは。そのことを最近言われる人が出てきたので、本当ではなかったかと思います。
今回福田総理は、洞爺湖サミットで「2050年に二酸化炭素排出量を半減しましょう。私たちも60から80%下げましょう。」とこれは凄いことであと40年で現在の二酸化炭素排出量を6割から8割削減することですから。
今の石油消費量を2割にすると言うことですね。それをやるのに際しては僕たちだけではできません。
排出権取引ですね。これから増えようとしているインドの工場に省エネルギー技術を差し上げて、今から排出量を増えようとしているのを抑える。その排出権を買うのです。地球全体で排出量が減ります。
私たちの分を減らすためにインドで減らす。それは京都議定書で認められています。経済界は最初こそやり気はなかったですが、今回は「やります」と言いました。
物凄いことです。誰も誉めてくれませんが。排出権取引で、日本国内取引ですが、木質バイオマス地域循環システムは使えますね。
間伐材をチップ化し、ペレット化し、木質ペレットを燃焼させてエネルギー、冷暖房や発電につかいますね。石油の削減にもなりますし。
西村 高知は大きなダムが国土交通省関係でありますので、先鞭をつけると言うことでは可能ではないでしょうか。
福井 国土交通省も環境目的になっています。ガソリン税も環境目的税になります。
西村 水資源公団の人達が」大きな関心を持って中嶋健造さんの話を聞いていただいたようです。早明浦、大渡、中筋川、坂本などの大きなダムが高知県にはありますし。ダムの近くに木質バイオマス地域循環システムのプラントをこしらえていただいて、地域交流センターも併設してやれば、ダムの上流域の人たちにメリットが出る仕組みでうs。
どんどん間伐した材木を持ち込んで来ます。間伐が進みますから森も生き返ります。現金収入にもなります。ダムも活用されます。悪いことは1つもありません。地球閑居の為にもなりますし。
その事例を「アジアの人たち」に売り出すこともできますから、即実行できれば良いと思いました。
仁淀川町も間伐がどんどん進行し、個人林業主などからどんどん間伐材が持ち込まれすぎて、抑制しているようだとも聞きました。木質ペレットを消費する先をもっと今後開拓しないといけないのです。
その先鞭でダムにそのプラントが出来るととてもいいのです。
福井 木質ペレットを効率よく燃焼させる実験が行われていますね。ボイラーレベルの実験段階であると聞いています。
西村 この実験などがうまくいくと森がたくさんある高知県は「宝の山」を持っていることになります。
福井 一昨年から間伐が公共事業になりました。コペルニクス的転換です。「間伐が公共事業ですから」だけど個人の山は1割負担です。その1割の負担が払えないのです。
他所の県は1割負担分を県で出しているところもあります。高知県はその1割負担を県が出すことが出来ないのです。
西村 間伐材はプラントへ持ち込めばトン3000円で購入してくれます。ダムのあるところはどんな山奥でもきちんとした道路がありますし。
「呼び水」的に国土交通省あたりが、木質バイオマス地域循環システムのプラントをダムに併設してこしらえていただいたら、モデルになるので、早く促進できます。
ダム周辺は道路が整備されています。間伐した地域から車で0分程度のところに、間伐材を売る場所があれば言うことはありません。高知県の拠点、拠点にダムがありますし。流木も活用できますし。燃やして灰ができれば、畑で活用できますし。クリーンエネルギーですし。
福井 ダムの周辺の市町村は小さく財政事情も厳しい自治体ですね。例えば早明浦の上流域になる大川村には道路や橋があります。今の状態では維持管理は村の予算では殆ど出来ないと思います。
こういうプロジェクトをこしらえているから道路の維持管理が必要である、使えますねと言うことで使えますね。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
西村 今月の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」のゲストは衆議院議員の福井照さんです。福井さんは元建設省に勤務され都市問題に大変詳しい人です。取り付きにくいと市民には敷居の高い都市計画問題や、まちづくり問題をわかりやすくお話いただけると思います。
今日のテーマは「あるべき都市の姿」についてお話を伺います。
高知市などの地方都市は、中心市街地が郊外型ショッピングモールの登場により衰退し、活力がなくなってきました。映画館すらない状況です。
福井さんは以前英国も同様の状況であったが、郊外への出店を規制し、中心市街地と提携して出店するようになってから共存して繁栄していると言われました。
それはいわゆる「まちづくり三法」促しているのでしょうか?高松市丸亀商店街の再開発ビルなどは成功事例と呼ばれるものなのでしょうか?
(全国各地に郊外型大型主ゥピングセンターがつくられています。)
福井 そうですね。中心市街地を守るというのは国是であると思っています。役所(建設省)にいるときの最後の仕事が「地方の中心市街地の再開発」でした。最初の法律をこしらえました。
地方の中心市街地の再開発は最初はアメリカから始め李ました。1980年代のアメリカでは地方都市が衰退し、中心市街地が荒廃し、ダウンタウンに低所得者の黒人層とヒスパニック層が入り込んできて治安が悪くなり、その地方都市から勤労者層もいなくなり、企業もいなくなりました。そのまちが「溶けて」なくなってしまったのです。
その結果ダウンタウンが一番大事であるということがアメリカ人は理解しました。そこで都市の再開発施策を始めました。それがすぐに英国に波及し、90年代初頭に「タウンセンター・マネジメントという考え方をを英国が発明をして地方都市のタウンセターを皆が活き活きして歩いて買い物したり、食べたいものを食べたりするゾーンに中心市街地をしないと地方都市がなくなってしまう。
そういう意味でTMOというのは、イギリスの考え方を直輸入して日本でも10年ぐらい前からやり始めました。
なにが違いかと言いますとイギリスは主体はNPOなんです。タウンセンター・マネジメントの主体なんですね。日本はNPOがまだまだ未熟で民主主義が発達していないので主体が市役所なんですね。そこが全然違います。そこがせつなくて。成功例だとかなんだかは言われていますが、青森や富山や金沢の事例を言われますが成功事例が僕にいわせれば1個もないのです。
どうしてかと言いますと。英国のサッチャー政権も最初は「規制緩和」から始まったのです。日本の地方都市がが小泉ー竹中路線で苦しんでいるように、最初は新自由主義でした。規制緩和、市場原理、すべてフリーにすると言うことでいままで規制してきた郊外への大型ショッピングモールをサッチャー政権は最初は許しました。
だから地方都市の中心市街地がみるみるうちに衰退しました。いままで郊外のショッピングセンターはなかったからです。同じサッチャー政権は間違いに気がつき、すぐに郊外の大型ショッピングモールをすべて禁止しました。それ以来政権が変わっても、1つの郊外型の大型ショッピングモールは出来ていません。
そういう施策のファクト・フィンディングがあって転換がありました。背景は日本と全然違っているのです。かつて許したことをもう一度禁止するのですから。
「ごめんなさい」という激しい施策の転換というのが日本人にはなじめないということですね。
日本では地方都市の中心市街とを守ることは国是なんだけれども、中心市街地がぼーとしているというので現在推移しているということですね。
西村 それだけ思い切って規制緩和して、また規制を強化する。というイギリスならではですね。凄いことをしたのかなと思います。
日本でも「まちづくり三法」というのは郊外へのショピング・モールを規制していく法律のように聞いてはいますが、それだけの拘束力があるのでしょうか?
福井 だいぶ効果は出てきました。県により強弱はあります。一切今後の出店は無理だなと思わせる県が出てきたことはあります。とにかくこれからは地球環境問題もありますので、都市はコンパクトにしてできるいだけ自動車を使わないようにする。楽しく街を歩いてわくわくどきどきしてお話もして、食事もしてという。これからは「コンパクト・シティ」が国是になります。
なるべく郊外の大型ショッピングモールはつくらないようにことなんです。ただ郊外の大型ショッピングモールをこしらえる立場の人からしますと「まだまだ購買力があるではないか」と言う人がいます。
高知でもあまだまだ郊外に2つくらいこしらえてもお客さんがやってくると言われています。と開発当事者に読まれているぐらいまだ私たちは購買力があるのです。
しかし都市計画において、高知市長さんのポリシーにおいて少なくても当面は高知市には郊外型の大型ショッピングモールは出来ないでしょう。私たちの目標はなるべく都市をコンパクトにしていくことです。
高知市は環境白書にも載りましたし、路面電車を活用して、低炭素社会のモデル都市として私たちは暮らしている。と日本中から既に認められています。より低炭素社会の象徴が中心市街地になるのです。中心市街地は商店街だけのものではない。学校も病院も、住宅も全部含まれるのです。これからはどんどん街の真ん中にいろんな施設をもってくるのです。
(都市再開発事例で有名なアメリカ・ボルティモア市のイナ。ハーバー)
西村 そのあたりの議論はいろいろ市民レベルでも行われていました。討論会を見に行ったこともあります。高知大学を中心街へ誘導する。高知女子大は池へ統合する。追手前小学校は廃校にして新堀小と統合、跡地を商業地にするなどお互い連携のないちぐはぐな都市再生プランが乱立しています。
。
高知県や高知市には「都市計画不在」のように思われます。あるのは街路整備計画だけのようにも思います。
都市計画とはどのようなものなのでしょうか?マスタープランにおいても高知では市民参加が保証されず短期間で決める傾向があります。市民参加と情報開示が中途半端です。
お立場上お答えできにくいテーマかもわかりませんが、おかまいない範囲でそのあたりをどのように整理し、考えれば良いのは。お話ください
福井 都市計画法は昭和43年(1968年)にこしらえて、その時に市街化区域をこしらえました。市街化区域とそれ以外の区域をつくりました。
はっきりした線で区分したのです。しかしそうして区分した市役所ほど土地が安いからという理由で市街地以外の地域へ公共施設を移転させたり、新たにこしらえたりしていました。40年の悲しい歴史があります。
いまは端境期であると思います。そうしたゾーニングをすると言う手法の都市計画が破綻をした。失敗したということは国土交通省もわたしたちも共通の認識になっています。ですから建物を建てるときの制限だけではなく、目標は地球環境に寄与するというこいとで都市をどうやってつくるのか。そのための規制があり、誘導がある。
今までとは全く違うという考え方で都市計画をすればブレークスルーできると思います。
今までの延長線で考えても何も進みません。お互いに不平不満だけいうて終わり。お互いをうまくとり持つ場所がないのですね。
西村 ないのですね。1990年頃の時代に高知市は横山市長の時代に、都市再開発のために都市計画税を導入する構想がありました。当時自分も青年会議所の時代でしたのでセミナー(都市再開発セミナー)などもやりました。
地域地域の不満が地区懇談会で爆発して、行政側がそれを受け止めて対話しているうちに時間切れになりました。なかなかそれは難しいですね。
福井さんが「あるべき高知の観光とは」で言われていましたように1つの街であれば1人のプランナーが設計したら景観も一貫したものになるから良い街ができますね。でもそうはなかなかならないからばらばらになります。
もう1つの視点は防災の観点です。高知市は低地の街ですね。高知シティFMのある潮江とかわたしの住んでいる下知は南海地震時水没することがわかっているのに、現在物凄くインフラ整備をしています。電柱地中化工事もしていますし。
水没することがわかっているのに市役所もどうしようもないし。高齢化、少子化だ、介護保険だがあるので、市役所も動けない。皆答えがないのではないでしょうか?
そのあたりは国として国政として「救いの手」とか「方策」はありますか?
福井 国として公共体としてはないんですよ。僕は役所の時もしていましたが「風水」ではないかと思いますね。占いだけではなくと(都市における)「風の道」「水の道」を守るということです。人間こそ自然だから。
都市は人工で、自然と対立している。というのは全く間違いです。都市も自然なんです。人間が自然だからです。自然そのもののわたしたとが、自然そのものに、ナチョナリーに暮らしている。アスファルトだって、セメントだって自然のものですよ。
そういう街の暮らし方はそこの風水論で、そこの龍脈が沸いてくる。地球からエネルギーが沸いてくるところに市役所、県庁やお城を建て、南側に海があって、広びろとしたところで経済活動をし、北と、東と、西には山があって敵から守られている。そういう風水論というのは、極めて有効なんです。
おどろおどろしいことを言っているのではなくて、生態学者の人がいつも言っていることです。生態学の中でなにが1番大事かと聞きますと「地下水である」と。「地下水脈を切ったらあかん。」と。「地下水ほど生態学上重要なものはない。」と。
徳川吉宗が江戸中に地下水道を引きこんだんです。そしたら、物凄く悪いことが起こりました。なぜかと占い師に聞きますと「それは地下水脈を切ったからだ」といわれたそうです。
地下水脈は磁気も持っているし、電磁気のほうもそうだし、地下水脈を頼りに多様な生き物が生きているので、「風の道、水の道、地下水を大事にして」私たちがそこにしっとりと自然と一体となって暮らしている。という都市がどういうものであるか。
高知の南国の、室戸の、宿毛の街と自然と地下水とを「見る力」が、「読み解く力」がいります。そんなことは近代都市計画の中では、近代土木工学でも1個の教えていません。だから物凄く前に戻らないといけないけれども「知恵の埋蔵金」が固まっていると思うんです。
だからけんちゃんがずっと不平不満があるのはそこなんです!その「読み解き方」が足らんということです。
西村 なんか高知市は「環境都市宣言」にエントリーをしたようです。さきほど福井さんが話された「観点」や「視点」があるのでしょうか?
福井 それは未だ役所ベースに乗らないから。だけど水面も活かすし、山も活かすし。僕の言葉ですと「風水」ですけれども。考え方は入ってはいますね。
環境モデル都市として世界に認められる活動。それで1番大事なのは人をつくること。そして「意識」です。意識。
だから私たちが全員同じ気持ちで低炭素社会をつくるんだ。低炭素社会の世界のモデルになるんだ。その意識をつくることです。それこそ風水で地域を読み解いてわたしたちが暮らしている大地は一体なんなんだ。それを知る為にも、一緒に活動する。そういうことと思います。
西村 もう1つ質問です。富山市などは路面電車を活用したまちづくりを行っているようです。鉄道の廃線をうまく活用したようですが。廃線を路面電車に活用して熱心にまちづくりをされているようです。
高知も路面電車が動いていますし。それを都市づくりに活かす。路面電車を高知駅から北へ伸ばす。イオンまで延長します。北部環状線を路面電車を走らす。そういうことの実現は、今の法制度とか都市計画のなかでは実現は無理なのでしょうか?
やる気があればできるのでしょうか?
(米国ポートランド市の路面電車)写真はやっしーさん提供
福井 やる気だけでは駄目です。技術開発がいります。パンタグラフのないLRTが必要です。北海道で実験が終わりました。出来そうになったんです。
リチウム電池と言って何億回に1回は発火するので、なかなか導入できないんです。リチウム電池を積んだ路面電車です。
停留所に電車が停車するたびに、横から(充電器)をピット出して、充電して走行する。バッテリーに充電するようにして走ります。そうなりますと架線が要りません。
(パンタグラフも架線も架線を支えるビームなども不要になります。)
そうすると路面電車の背も低くなります。そうなれば高知駅の1階のあの空間の天井の高さでも電車は北側へ通り抜けることが出来るんです。
今は行けないんですけれども、新しい技術開発した後のLRTや路面電車では可能です。行けるのです。それも早く実験をまずして高知で導入できるのです。それもコレもお金がいります。
今の土佐電鉄の経営状態で、そんな投資が出来るかどうか非常に難しいと思います。それは私たちの税金で市役所と土佐電鉄とかが合体して、プロジェクトができるか。それがキーであると思います。
西村 風水の話は面白いですね。高知市は山に囲まれ、海もちかくにある地方都市ですね。しかし、アスファルトの放射熱や建物や自動車の排熱で街は暑いです。夏にはエアコンをいれないとすごせないほど街が暑いというのはおかしいですね。エアコンをかけるからよけい暑くなりますし。
これは風水の立場から見てもおかしいと思いますね。夏はエアコンなしで過ごせる街であるとか。市民がやる気になれば出来るのではないのでしょうか?
福井 石油・石炭を卒業することは可能ですね。ちょうど東大の学長が自宅を改造されて太陽熱発電パネルその他をやっていました。80%を削減したそうです。
石油・石炭は80%削減できるんです。だから太陽光でエアコンも使用可能です。
太陽光を使用するためにはエアコンも冷蔵庫もすべてCO2が低いものにしないといけないんですがね。
いずれにしてもわたしたちの住まい方が地球としっとりいっている。そういうことが風水論ですね。60兆個細胞があるけれども、分子生物学的には、死んだらすぐ風になりますからね。
だから風も水も自分自身も一体だという生き方をいかにできるか。そこにかかっていると思います。
西村 福井さんのホームページのなかで北山孝雄さん(北山創造研究所所長・建築家安藤忠雄氏の弟)との対談で「風水の話」はとても面白く興味を持って読みました。お互い面白い話をしまくって終わっているようでしたが。環境と都市が密着しているという話は初めて聞きました。
福井 都市計画で定めているのはドイツです。「風の道」と定めています。「風の道」という都市計画そのものがあります。
道路をここからここまであるけど。風の道は山からこういうふうに風の道があるので、ここにビルを建ててはいけない。はっきりあるんです。
風水をおどろおどろしいというのは、日本だけです。
西村 韓国ソウル市のチョンゲチョンの時も「風の道」がどうしたこうしたというのはテレビで見ました。風はチョンゲチョンの上をこう吹くから温度が下がる。そういうのがあるんですね。
福井 今度はっきりするのは東京駅南側にある大丸がありますね。大丸が壊されます。そうすると江戸湾の風の道が、大丸の高層建築で通れなかったのが、なくなるとそのまま皇居まで行きます。風の道を復元するのですね。(大丸は移転します。)
もともと風の道に東京駅はありました。無意識ですけれど東京駅周辺の建物を低くすることで風の道が出来ます。皇居は武蔵野台地の先。このさきに海があって。皇居には雑木林が一杯あります。そこへ向って潮の香りがする風が吹きます。
西村 大きな再開発ですね。そうなると日本橋の上にある高速道路も撤去しないといけないですね。
福井 ありますね。川沿いに風は行きますからね。川沿いに建物とか高速道路などをこしらえるのがそもそも間違いですね。
あのときはしょうがなかったんです。関東大震災の後にいろんな広場をつくって、公共空間がたくさんありました。高度経済成長のときは、東京五輪の時は、使用せざるをえなかったですね。いちいち用地買収なんか出来ませんでしたし。
それが川の空間だったり、関東大震災後にこしらえた防火帯であったり。そこへ高速道路を通すしかなかったんです。突貫工事でしたし。
西村 その話を聞きますと高知であれば風水を意識した都市づくりは東京ほど労力なしにできそうに思いますが。
福井 そうですね。さえん場から、最初でしょ。オリジンで。そこの近くまで船で来て。さえん場が最初の商店街だったんですね。
西村 そうですね。九反田のかるぽーと近くの堀川を船が着いて、そこから歩いて現在のはりまや橋商店街付近が昔の高知市の繁華街でした。
船は藩政時代は大丸前まで水路がありましたし。
(堀川のお花見遊覧船)
福井 キーは水面なんです。水面の復活ですね。
西村 でもいまの高知市の都市づくりは水面を埋めていますからね。「16億円の無駄遣い」といわれているはりまや橋バスターミナルにしても、むしろ川を堀返せば価値がでるでしょうに。全部逆行してますよ。話が行政側とかみ合いません。
事業を批判するとかみ合わないし。かといって迎合するわけにはいきませんし。
ではあのバスターミナルは利用計画は?と聞きますとなにも考えているようにはないですし。都市計画の不在なんでは思いますね。
風水の話は自然で沖縄でも首里城は風水で決めたと聞いています。建築で「鬼門」というのがありますが、これも風水の1種なのではないでしょうか?建築家は一応学習しているとは思いますが。
福井 建物のほうはそうですが。
西村 都市計画のなかでは「風水」はまだまだ活用されていないということですね。
福井 そうです。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
西村 今月の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」のゲストは衆議院議員の福井照さんです。福井さんは元建設省(国土交通省)に勤務され都市問題に大変詳しい人です。取り付きにくいと市民には敷居の高い都市計画問題や、まちづくり問題をわかりやすくお話いただけると思います。
今日のテーマは「あるべき高知の観光とは?」でお話をお聞きします。
福井さんは観光についてご自身のホームページの中でこう述べられています。
「「観」とは、易経・お経から来た言葉です。他国の王様を賓(ひん)(案内)するときに使われた言葉で、観光の「観」は単に目で見ることではなく、心をもって深く内面まで見つめること。つまり「観光」とは、国の光を見ること、人々の顔が輝くことを見ることです。」と言われています。
具体的にはどういうことなのでしょうか?沖縄や北海道は「観光地」というイメージが沸きますが高知は正直「観光地」ではないのではないでしょうか?
桂浜は5分で飽きますし、あそこに高知城があり、龍河洞(りゅうがどう)でもあれば少しは観光地と言えますが。
易経・お経から来た言葉からすれば高知は全然観光地ではないように思いますがいかがでしょうか?
福井 そうですね。今言われたように中国語では観光のことを「旅遊」(りょうゆう)と言いますね。「旅に遊ぶ」という意味です。
それで「ツーリズム」=旅遊と言います。日本では「観光」と言いますね。本当は凄く深い意味のある言葉です。今言われたように易経。お経から来ています。当たらぬも八卦、四書お経の中に「国の光を見る、王に賓(ひん)たるにによろし」それを私たちの明治時代の先輩が「観光」と言う言葉をこしらえたのです。
それで「ツーリズム」という英語に当てようとしたのです。つまりわたしたちが普段生活している生活の仕方が、「活き活きしてわくわくしている」「どきどきしてて、顔が光っている」「笑顔が溢れている」ということを「国の光」と言いました。
そのことを「見せる」ことこそ最高のおもてなしである。ということです。
高知の言葉にも「近きもの喜べば、遠き者来る。」とあります。つまり私たち高知県民が喜んでいれば、遠くからお客さんがどんどんやってくる。とういうことです。
深い言葉は深い言葉です。でもあんまり「観光だから」「ツーリズムだから」特別のことがあるとかではなくて、普段私たちが生活している、生活の様子が家族同士で喧嘩してもやっぱり幸せに暮らしている。そういうことが一番大事ですし、根幹であると言うことです。
ツーリズムに「観光」と言う言葉を使っている日本人には最高に知恵者であると言えるでしょう。ですから「ホスピタリティが足りない」とか、「はりまや橋ががっかり名所である。」とかいろいろ観光の分野では足らないところはあるでしょう。
しかし大事なことは「私たちが今いかに幸せに暮らしているか」と言うことなのです。不満だらけであると思います。「高知県民が不満だらけですから観光客が来ない。」というところに本質があるのです。けんちゃんが最初言われた易経・お経から来た言葉の意味はまさにそこにあるのです。
西村 なるほど北海道や沖縄のような自然がどうのというよりも、高知県民の日常の生活の不満が高知県民に溢れているから観光客は寄り付かない。来ないぜということなのでしょうか。
福井 まさにそういうことです。不満だらけの顔を誰も見に来ませんね。そういうことなのですね。
西村 よくわかりました。関連した質問です。観光産業は地元仕入れ率が高いと言われています。県外からの観光客が増加すればホテルが潤い、タクシーやバス会社も潤い、みやげ物としてお菓子や農産物や海産物なども販売量が増えます。まさに地場産業であると思います。
現在高知県の観光客は500万人前後だと言われています。これを倍の1000万人にすれば県民皆ハッピーになると思います。なにかアイデアなり方策はありますか?
また成功事例などあればご紹介ください。
福井 国内のお客さんを他所と取り合ってもしかたがないと思います。日本は人口が減少していますし。
一方中国の沿岸部の人や、台湾や韓国、あるいはインドの方など。あるいはマレーシアやインドネシアも所得が上がってきています。どんどん日本へやってきています。
いままでは日本へ来る観光客は欧米人ばかりでした。これからはアジアの観光客を意識しないといけないですね。アジアのお客さんをいかに高知に呼んでくるか。そのことがポイントであると思います。
北海道ですね。暑いアジアから雪を見たい。オーストラリアでしたらパウダースノーでしょう。季節が夏冬逆ですし。オーストラリアの夏に北海道へやってきてスキーを楽しむ。という観光客が今激増しています。
そうするとなにが起こるかと言いますと。北海道と九州で今起こりつつあります。日本語の交通標識や看板、案内に英語と中国語とハングルが書かれる様になりました。ふだん私たちが目にしている風景とは異なるようになりました。
そういう気遣いが「ホスピタリティ」「やさしさ」であるとわたしは思います。ターゲットは海外からの観光客です。これを目標にまちをどうするのか。観光産業をいかに延ばしていくのか。
小樽運河の話しになります。この話しになると2分ぐらいかかります。高知もそうした事例(新堀川など)をかかえていますので、お話します。
小樽運河はしっとりした運河がありました。半分以上埋めました。道路にする計画がありました。その時に全国的な反対運動がありました。それをコペルニクス的に展開をして「それでは綺麗な道路にしましょう」「遊歩道にしましょう」すべての橋はデザインしましょう。」「倉庫は店になるから、外は残して中は改造しましょう。」とあれは何年ぐらい前か忘れましたが、小樽運河をそうした考え方を活用して整備をしましたら、反対運動は収まるどころか、観光ポスターや小樽運河と言う歌が出来るはで大変身しました。
さきほども言いましたが、まちのに便利なもの。しっとりして、ああ綺麗だなと、いいもんだというものをこしらえれば、海外の人も見に来るし、何よりも地元市民がそれを好きになります。それを誇りし、自慢するようになる。それがひとつ、ひとつ手法ごとの成功例はあります。
さきほどの本質論の続きからいいますと、観光の目的地を作るというターゲットはアジアの方です。そしてアジア人として農耕民族、漁労民族として、しっとりとするという共通の目を持ち感覚をもっているので、それを活かしていきたい。
だから高知こそそれが出来ると思います。これだけ自然が残っていて、農耕民族で、海はこれだけ綺麗で、黒潮の色を見せられる。最高のロケーションがありますね。居間から飛躍的に高知は延びると思います。
(高知は都市の近くに仁淀川という清流があります。)
西村 以前福井さんは「小樽運河も道路特定財源でこしらえたものです。」と言われていました。高知市におきましては新堀川と言う歴史的な運河を道路特定財源で建設されている県道はりまや橋ー一宮(いっく)線は、新堀川に蓋をし、道路にしています。
中江兆民の生家や儒学者岡本寧穂や武市半平太の道場跡も新堀川周辺に残されています。またアカメの幼魚や絶滅危惧種のカニであるシオマネキも生息している高知市中心部のビオトープであり、ウォーターフロントでもありました。
新堀川などは貴重な観光資源になる可能性があるのですが、どうも道路特定財源とはかみ合わないようでしたが。そのあたりはどう思われますか?
さきほど福井さんが言われた自然も農耕民族も高知はあるとは思いますが。それをうまくコーディネイトすることができれば新堀川の道路計画に反対する人はいなくなるとは思いますが、そのあたりはいかがでしょうか?
福井 まさにそのとうり。景観ですよね。デザインです。建築にも土木にもデザインする人がいます。それに加えて画家であるとか。本四架橋の橋の色やデザインも画家が決めた話です。
すべて人間に関わる綺麗なものを扱っている人に決めてもらう。それで景観計画をもう一度やり直したほうが良いとは思います。あんまりやり直すなんていうと市も県もあっと思うかもしれないけれども。
最も大事なのは水面なのです。下水道整備率が今でも県庁所在地で高知は一番遅れています。だから下水道を整備して、水面に魚影を。朝倉などにもそのような場所は拘置しにはたくさんありますが、都市の真ん中で、水面に魚影が映る、綺麗な水面をつくる。それをまずやるべきですね。
水質を良くすればビオトープはできますね。それから道路こしらえたりする景観形成ですね。ファサードと言いまして建築物の前面だけは「歴史的景観にする」とか、石畳風にするとか。城下町風にするとか。
工夫がありえると思います。けんちゃんの指摘は一番大事なところを指摘していると思います。ですので「かみ合わないといけない。」ですね。
西村 現実にはなかなかかみ合いません。かみあった事例ですか。福井さんのほうで日本の事例や世界の事例は詳しいと思いますがいかがでしょうか?
また「観光」を活用したまちづくりで高知に参考になる事例はありますか?アジアの人が来たら良いといわれました。先進事例がありますか?
福井 小さい町ならば、長野県の小布施町(おぶせまち)があります。
葛飾北斎の里です。建築も街路も公共構造物もすべて1人の建築家がデザインしました。1人の建築家がデザインすることで町全体が同じ思想で形成されます。
小さな町だからこそ出来たのではないかと思います。
また観光地であったが、一時的にものすごく落ち込んだ大分県別府市。こちらは「観光大学を落ち込んでいる最中にこしらえました。
それこそアジアから留学生たちを誘致して、別府温泉などで勉強してもらって母国に帰る。母国では別府のことを宣伝するから、母国から観光客が別府へやってきます。
アジアの人にまず留学生として来ていただいて、料金が高くないように大学で勉強していただいてと。観光大学というのも仕掛けです。
もっと仕掛けであると言うのであれば、金沢です。お城があって100万石と高知の24万石とは違いますが、たかだか数倍の規模。お城があって城下町があって、伝統があって、歴史と文化と風土がある。なにが違うかと言いますと金沢ものづくり大学です。賀沢市営でつくりました。
宮大工を勉強している人。土塀をつくろうと勉強している人。あれはなかなか難しいことです。実際に金沢城を修復しながら勉強をしています。
ぞして実際に街へでてファサードを作り直す。勉強をしながら街ができあがるという。これは滅茶苦茶知恵のあるやり方ですね。こういう学校を高知でもつくってもらいたいですね。
高知城の石垣づくりは穴太(あのう)積みといいまして(滋賀県が由来)、滋賀県から職人が来られて現在修復しています。全国的に価値のあるお城です。ですので城下町風のまちづくり。龍馬が見た風景を地域で、ストリートで復元したら激増するとは思いますね。
西村 話が面白いので時間があっという間になくなってしまいました。もっとお聞きしたいことはたくさんありました。時間の制約がありますので一気に聞くようにします。
高知の資源と言われているものに「坂本龍馬」があります。「よさこい祭り」もありあります。それから「路面電車」と「まんが」もあります。高知の独自性、観光と言う場合に外せないところではないかと思います。
それらの活用法などで福井さんのほうでアイデアなり事例があればお願いします。
福井 僕が個人的に思い観光資源で世界1であると思いましたのはポーランドの「アウシュヴィッツ・ビルケナウ国立博物館」ですね。
ポーランドでユダヤ人を虐殺したところです。戦争そのものが博物館。ユダヤ人が虐殺された施設がそのまま保存されていて、毎日世界中から観光客が押し寄せてきています。日本語のVTRもあります。
収容者の現場がそのまま保存されています。
だから災害だから、戦争だから観光とは別というのではなくて、観光というのは人間そのもの。現在の自分。過去の自分。を見たい、出会いたい。知りたい、だから行きたい。というのが原則であると思います。
今まさに龍馬なども。よさこいもそうですが、今度のサミットもYOSAKOI・ソーランがアトラクションで踊るそうですが、ルーツは高知だろうと言いたいですね。龍馬でも本場は高知やろうと。全国ベースにもやはなっていますね。ですので「高知でしか見れない。」ものを提供する。
災害であってもいい。地震であってもいいのです。この戦後取り残された今の杏示唆であってもいい。つまり今の「マイナスをプラスにする。」を高知を見に来てください。と言う発想のほうがたくさん人が高知へ見に来てくれるように思います。
西村 話はつきないとは思います。もっとお話をお聞きしたいとは思いますが、今回のテーマでのトークはこのあたりにしたいと思います。
福井 市長がやる気になれば可能な話ばかりであると思いますね。標識を外国語表示する(英語・中国語・ハングル)は既に博多がそうなっています。外国人観光客を受け入れるのならそのあたりの整備と受け入れ側の意識変革が必要になるでしょう。
まず韓国からの修学旅行の受け入れから始めると良いと思いますね。中国も少しづつですが増え始めています。子どもがポイントです。
金沢の21世紀美術館もみのさんという東京からトレードされた人が来られて、現代美術を無料でずっと鑑賞させてようです。そしたら親に子供たちが言うて、親も一緒に来館するようになりました。それから爆発的に来館者が増えました。
日本人でも外国人でも子供がポイントですね。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
9月番組には衆議院議員の福井照さん(自民党・高知1区選出3期目)が登場されます。元建設省の都市局勤務(現国土交通省)であった福井さん。都市問題や都市計画に詳しく、最近は党の水産部長もされているいようで、田舎をどう売り出すのかを常に考えられているうようです。
観光問題、都市問題、国策の引き出し方、政治と理念の問題という4つの項目を軸に質問項目を組み立てました。どの質問に関しても自分の言葉で回答をいただきました。
聞いていて面白く、収録の時間が足りないと思いました。
あるべき高知の観光とは? 9月5日(金)
あるべき都市の姿について 9月12日(金)
国の施策の最大活用法とは? 9月19日(金)
心の自由民権ー人生主義とは? 9月26日(金)
福井さんの政策は面白いと思いました。もっと多くの県民は耳を傾け、討議をすべきであると思いました。都市計画をきちんとわかる政治家は日本では珍しい。あえて先人がいるとすれば東京市長を歴任した後藤新平氏ぐらいだろうか。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント